文具の展示即売会「STATIONERY MARKET(代官山T-site)2016/1/23~24」で購入した二つめのアイテムは、三本差しペンシース。
一般的にペンシースは、筆記具の保護を目的に使われる。それも重要な要素の一つではあるが、自分の場合、ポケット保護が主目的だ。
かなり以前に、万年筆を上着の内ポケットに挿していた時、何かの拍子に万年筆のキャップが外れ、ポケットの中、それどころか上着の表側までもがインクで染まった事があった。それよりさらに昔、同じように胴軸がはずれ、カートリッジが抜けて筆箱の中をインクの液で満たした事もあった。
こんな経験から、万年筆はペンシースに挿して持ち歩くことにしている。
手持ちでそれらしいのをいくつか並べてみた。万年筆を使いはじめて、最初は 1本、そして即 2本。今では 3本を常に鞄の中に入れ、手帳と共に持ち歩いている。
3本のうち 2本は本文用で、書き込むテーマにより使い分けている。残り 1本は赤。赤は滅多に使わないのだが、必要な時に無いととても困る色。光や色の三原色が如く、3本あると色々な場面に対応出来る。2本でも4本でもなく、3本が落ち着く。
写真は、左から
- 新書サイズノート iiroとその専用カバー
- Pen and message.オリジナルペンレスト兼用万年筆 3本差しケース
- カンダミサコの 一本差しペンシース
- カンダミサコの 二本差しペンシース
三本差しケースは Pen and message.オリジナルとサイトに記載されている。製造元はカンダミサコである。寸法比較の為に LAMYのアルスターとサファリを一緒に置いてみた。サイズは長さ 14cm ×直径 1.3cm。この万年筆、見た目はオモチャに近いが、基本的な造りや機能は驚く程しっかりしている。
こちらは、以前使っていた 2本差しペンシース。極めてシンプルな構造で、儀式を要することなく、サッと取り出せ、使い終わったらサッと仕舞える。使い勝手はとても追い。
皮革は内外共に独国ペリンガー(LUDWIG PERINGER Gmbh)のシュランケンカーフ。特殊な鞣し剤によって、皮を縮ませシボを作っている。その名の通り、”シュリンク=縮ませる”意であり、一度縮ませることで、一般的な皮革より曲げや伸ばしに強い。また、水濡れに対しても強い。クローム鞣しなので経年変化はほとんど起きない。手触りは、発泡スチロール(笑)
写真の通り、LAMYのアルスターやサファリ(長さ 14cm ×直径 1.3cm)がピッタリと収まる。これ以上長い万年筆を挿すと、万年筆天冠にキズを付けてしまう恐れがある。
そしてこちらが展示即売会「STATIONERY MARKET(代官山T-site)2016/1/23~24」で購入した 3本差しペンシース。
3本のLAMY サファリ系(safari、AL-star)万年筆を挿入した時の外観。上はフラップを閉じた時。下は万年筆の挿入状態がわかるようにフラップを万年筆の下に降ろした状態。
LAMYサファリのサイズは長さ14cm×直径1.3cm。これより長かったり太い万年筆だとフラップの開け閉めがしにくくなる。多分、この太さの万年筆の場合だと、長さ +0.5cm程度が収納限界。
実は、このペンシースは万年筆を挿入してないと、正面からは樽型に見える。特に、フラップと挿入ポケットが重なり合う部分の横幅が他に比べて広くなっている。万年筆のキャップには胸差しクリップが付いてるのが一般的。つまり、この部分が一番太くなるのだ。樽型に曲線を描いていたシースの両側は、万年筆を挿入すると真っ直ぐ且つ平行になる。万年筆のプロポーションに合わせたパターンカットと縫製がなされている。良く考えて設計されているな。と感心。この樽型のパターンカットにより、そうではない 2本差しシースに比べると若干ながら太い万年筆が挿入出来る。
Pen and message.のサイトでは、”オリジナルペンレスト兼用万年筆ケース(3本差し)”と紹介されている。まあ、確かにフラップ部分を裏側に曲げるとペンレストっぽい形状になってくれる。そして、意外とペンレストとして、使えてしまっている。
ただし、このフラップがあるせいで、万年筆の出し入れは煩雑となる。もしも、フラップが無いタイプ(つまり二本差しペンシースと同様な形状で三本差し)が発売されていたなら、自分はそちらを選ぶだろう。
素材は、外側に 二本差しと同じくシュランケンカーフ、内側にはシープスエードが使われている。その為か、内外共にシュランケンカーフが使われ、ステッチが全周に掛けられている 二本差しペンシースとは明らかに手触りやしなやかさが異なる。折ったり曲げたりするとハッキリとわかる。三本差しペンシースのほうが、格段にシットリとしていて柔らかいのだ。
どちらが良いのか、あるいは好みかと問われると、非常に困る。
どちらも良いのだ。
さて、一本差しシースだが・・・・入れるモノが無い(笑)いつになるかわからないが、将来このシースに見合う高級万年筆を手に入れたときに、あらためてレビューしたい、、
自分が最も使い勝手が良いと感じたのは二本差しペンシース。素早い抜刀、持ち歩く際、そのペンシース自体の収納場所を選ばない。軽い。
一本差し、二本差し、三本差し、それぞれ使い分けはこんな感じ。
- 一本差しは、やはりペンケースの中に入れて使うモノ。一本差しを上着の内ポケットに入れようものなら、ポケットの中で斜めになったり、真横になったりと、単独だとクリップが掛けられない分、意外と使いにくい。鞄の中に入れると迷子になる可能性大。
- 二本差しは、一本差しとは異なり、内ポケットの中で暴れることはない。総シュランケンカーフ製のためもあってか、シース自体は非常に軽い。2本を手軽に持ち歩きたい場合は元より、1本であっても、内ポケットに入れるのであればこちらがお勧め。
- 三本差しは、内ポケットの中に入らないことはない。しかし如何せんサイズが大きい。内ポケットの中に入れるとゴワゴワ感が半端無い。やはりコイツは鞄の中。