実用に耐えうる拡大倍率10倍の拡大鏡
拡大鏡は、子供の頃に愛用していた虫メガネのイメージが強く、照明拡大鏡も大きさが異なるだけで、あくまでその延長線上にあるものとの認識であった。
だがしかし、先日入手(格安中古)した 10倍レンズを手に取ったところでそのイメージは崩れ去った。
ゴム枠を外したそれは記憶にある虫眼鏡ではなく、巨大な鏡筒。
この拡大倍率 10倍を使うとどの程度の作業が出来るかと言うと、両手にそれぞれ 1本ずつ髪の毛を持ち、その先端を突き合わせて押し合いっこが造作なく出来てしまう。2倍や4倍、あるいは裸眼でもできなくもないが、連続 10回やれと言われたらかなり躊躇する。が、10倍なら楽勝である。
拡大倍率 10倍を要する作業には、通常は実体顕微鏡が使われる。
一般的な実体顕微鏡は、接眼レンズと対物レンズ組合わせにより 7~40倍程度の拡大倍率が得られる光学機器。つまり、この拡大鏡はその領域に迫るレンズを組み込むことが出来るのだ。
拡大率が大きなルーペは、種々販売されているが、実際に手に取って覗いてみると様々な収差により実用に耐えない製品がほとんど。
拡大鏡にとって 10倍はなかなかに高倍率らしく、オーツカ光学のこの 10倍レンズもかなり無理をしているものと思いつつも、実用的なレベルに達している。
そのための巨大な鏡筒。
実体顕微鏡との使い分け
ところでこの拡大鏡。
倍率 10倍ともなると作動距離(レンズ対物面から拡大対象物表面までの距離)が 43mmとかなり小さい。大きなリング照明とも相まって、拡大対象物へのアプローチはほぼ真横からとなり、実際のところ、こなせる作業はかなり限られる。
拡大倍率 10倍以上に限って言えば、手や指先を使っての作業は拡大鏡。はんだ付けなど道具を用いた作業は作動距離の大きな実体顕微鏡が向いている。
実際、自分はそんな風に使い分けている。
オーツカ光学の照明拡大鏡では、拡大倍率 12倍と 15倍はそれぞれ 3群5枚、3群6枚で一部に貼り合わせレンズが使われている。
一方、10倍は 4枚のレンズは貼り合わせではなく各々単独で使われているため剥離防止のための保管環境を準備する必要が無い。
最も、オーツカ光学の製品でレンズが剥離した、などは聞いたことは無く、余計な心配なのかもしれない。
レンズを納める鏡筒ユニットは、カメラのレンズと違って、ピント合せやズーム機構が無いので完全密閉型。
内部にホコリが入ることはないのではなかろうか。
とにかくメンテナンスに関しては、表に出ている上と下のガラス面の清掃だけで済むので、実体顕微鏡に比べると圧倒的に手間いらず。
自分の今までの作業内容を鑑みると、従来実体顕微鏡を使っていたかなりの分野で、この拡大鏡の使用へと置き換わってきそうな予感がする。
Google Lensで探すとモノタロに幾つも合った。
https://www.monotaro.com/p/0199/8421/
ただ目的に使えるかなんです。
ではまた
目的毎に揃えると使い勝手が良くなるけれど、お金が掛かります。
機器の保管スペースも確保しなければなりません。
そのあたりをどう考えるか・・・
最近は、ほぼ使わなくなった機器は、中古で売りに出してしまってます。