ネットワーク機器を販売している YAMAHA が無料の DDNS(RFC 2136で規定されている Dynamic Updates in the Domain Name System の一般呼称)を提供している。
その名は “ネットボランチ DNS”。
YAMAHA 製の RT(RTX)シリーズルーター を使用しているユーザー限定であるが、対応機種を使っている限り無料である。いつはじめたサービスなのか詳細は確認出来ないが、対応機種リストに記載されている最も古い機器は2001年7月発売された RTA54i。 少なくとも2001年からはそのサービスが提供されているらしい。
DDNS は、プロバイダから非固定で割り当てられる IP アドレスに対し、一意なグローバルなホスト名を割り当ててくれるサービス。自宅でサーバを立てる場合や、PPTP・IPsecを使って外部jからVPN接続をする場合に有用で、このwebサイトも URL を見てわかるように”ネットボランチ DNS”を活用させていただいている。
※2016/08/29:http://rarak.aa0.netvolante.jp/blog/ から / へ移転したため、「活用させていただいた」の表現になると思われます。
登録方法等はこちらに記載。
ネットボランチDNSサービスの設定・登録方法
さて、このネットボランチDDNSであるが、Webサーバー用途に用いても大丈夫なのだろうか?
答えは とりあえず”YES”。
ネットボランチDNSの過去の障害履歴
ネットボランチDNSの過去からの障害発生は公開されていて(2013年7月3日現在)、ネットボランチDNSに関わる2004年から2013年6月までにメンテナンスは24回、障害は16回。
メンテナンスは基本的に事前アナウンスがなされることから使用者側も対処が可能。また、記載されている障害の中で、ネットボランチDNSが完全に停止に至った重度な障害は多くはない。
本年1月20日には、サービスのホスティング先変更メンテナンスが行われ、それ以降、現在まで障害は発生していない。
大きな声では言えないが、障害発生から機器交換による復旧までに半月間掛かっていた有料の DDNS サービスも存在する。さすがに”アクセスが無ければどうと言うことはない”この過疎サイトであっても、半月間は厳しい。無料の DDNS サービスとしては非常に優秀である。
ローカルルーターが故障した場合は?(気になった点)
ネットボランチDNSを使ったことがある方ならご存じと思うが、ネットボランチ DNS サーバーへのホスト名登録は、使っているルーターからしか出来ない。さらに、登録の削除も使っているルーターからしか出来ない。機種の変更や、ホスト名の再登録方法はこちらの”RTシリーズのネットボランチDNSサービスに関するFAQ”に記載されている。
が、しかし、使っているルーター本体が故障してしまって、ホスト名の登録削除が出来なくなった場合はどうすれば良いのか?
そのホスト名は2度と使えず、別のホスト名を新たに登録し、Web サーバーのデータの修正(サイト内リンクの修正とか、リンクいただいているサイト管理者への連絡とか・・色々)をしなければならなくなるのか?。もし、そうであるならば、Web サーバー用途にネットボランチ DNS サービスを用いるのはものすごくリスクが高いと言える。
なので、YAMAHA の”ヤマハルーターお客様相談センター”に問い合わせてみた。果たして救済措置はあるのか?!
『FAQに記載のとおり、同一ホスト名の取得にはルータ入替え前に登録削除が必要となりますが、ルータの故障によりお客様にて登録削除が出来ない場合につきましては、ルータのMACアドレスならびに登録ホスト名をお知らせ頂ければ、弊社にて登録削除の実施をさせていただくことも可能でございます。』
ベストアンサー来ました!
※あくまでも対処の可能性について問い合わせしたもので、YAMAHA さんが実際に対処いただけるかは、別途個別に直接お問い合わせいただくことをお勧めいたします。YAMAHA さん迷惑掛けたらごめんなさい。
と言うことで、無料とは思えない品質とサービス内容。表題の「ネットボランチDNSは自宅Webサーバー用途に使っても大丈夫?」に対する答えは当然YESです。YAMAHA ルーターユーザーであるなら使わない手は無い。