カンダミサコの一本差しペンシース。クラシコバッファローの突然の変異。

カンダミサコの代表作。一本差しペンシース

カンダミサコの代表的な作品の一つに、一本差しペンシースがある。通常販売されているのは、皮革がシュランケンカーフのもの。そして、時々であるが、違う皮革を用いたペンシースも製作していて、今回紹介するのもその中の一つ。

使われている皮革はベイビーバッファロー(クラシコバッファロー)。

一般的な牛革に比べ、一言で言うとソフト。そして、独特な肌目が特徴。この肌目は良くある合成皮革に似ているが、これは合成皮革がベイビーバッファローに似せているためだ。また、牛革に敢えて型押しでこの肌目を付与する場合もある。他に真似されるほどに魅力的と認められている肌目なのだろう。

ベイビーバッファローはタンニン鞣しで、色もツヤも使い込むことで味わいが出てくる。普通に使用していても変化してくれるが、クリームを塗布して磨いてあげると一気に豹変する。美しいツヤと共に、肌目がくっきりと浮かび上がり、色はさらに濃く深くなる。はじめて手に取る皮革であるが、これは予想外であった。

ペンシースを使うために万年筆を購入

カンダミサコの一本差しペンシース(ベイビーバッファロー)クラシコバッファロー少し前、挿入する万年筆を持っていないのに、何の気無しにダークブラウン(写真中央)のペンシースを購入した。しばらく放置していたが、せっかく買ったのに使わないのはもったいない。なので万年筆を一本購入。

ペンシースを使うために万年筆を購入するなど、本末転倒と思われるかもしれないが、まあ、何と申しましょうか、世の中には稀に良くある事。

使う前に、クリームでおめかし。そしてその時、事件が起きた。

突然の出来事であった。変異であった。只単にツヤが上がるだけであれば、それはクリームによるものと片付けられるが、色の変化が伴うのだ。ダークブラウンであったはずのペンシースが、ブラックと見分けが付かないほどに色濃くなった。なってしまった。

ツヤが出るから、色濃くなるから良い皮革であるなどと言う気はないが、正直、この変化は楽しすぎた。気が付くと、ブリッティッシュ・タン(写真上)をポチり、それが到着した翌日にはゴールド(写真下)をポチっていた。

クリームを塗布するとさらにツルツルに

カンダミサコの一本差しペンシース(ベイビーバッファロー)クラシコバッファロークリームを塗布し、磨かれたダークブラウンのシースは、どう見てもブラックである。ペンを実際に挿入すると皮革が伸ばされ、ツヤがさらにツルツルに。(写真後方のブリッティッシュ・タンの方には万年筆は挿入されてません)

万年筆を刺していない状態の手触りはフワフワ・フカフカ。でありながら、表皮はしっかりしていてキズは付きにくく、シュランケンカーフと同等とまではいかないけど、かなり雑な扱い方をしても耐えてくれそうな皮革である。

相変わらずの作りの良さ

カンダミサコの一本差しペンシース(ベイビーバッファロー)クラシコバッファロー光の反射を押さえて撮影。刻印は全てゴールド。皮革と同系色で若干薄い色のステッチで縫い込まれている。コバは共通で、黒のツヤ消し。ネンは全ての端に入っている。

一見、何でこんなに小さな作品がこの価格?と思われるかも知れないが、それだけの技術と工程を経て作られているのだ。感心したのは、ユルさとかキツさである挿入感が 3つとも全く同じであり、バラツキが一切無かった事。伸び縮みする不定形な革に対し、これだけの精度で縫製する気遣いと技術はすばらしい。と、ここまで書くと少々賞めすぎか。

挿入出来る万年筆のサイズはM800まで

カンダミサコの一本差しペンシース(ベイビーバッファロー)クラシコバッファローこのペンシースは最大で Pelikan(ペリカン)M800が収納可能と言われていた。実際に購入したのはシルバートリムのブルー縞 M805で、サイズは M800と同等。最大と言う言葉にびくびくしながら挿入してみたところ、何の問題も無く収まってくれた。M800の太さには少々きつ目であるが、使っていくうちに馴染んでくれるはず。

正直、刻印がゴールドなのでシルバートリムではなく、通常のゴールドトリムの万年筆のほうが似合うと思う。

シース内部にペンクリップを掛ける箇所があり、さらに万年筆本体もこのシースに対し若干太めなので、自然に抜け落ちたりはしない。ただし、長さ的には、もう少し余裕がほしいところ。まあ、そうすると、今度は Pelikan(ペリカン)M400にとって長すぎることとなる。多分、Pelikan(ペリカン)M600がピッタリサイズ。

楽しすぎる変化

カンダミサコの一本差しペンシース(ベイビーバッファロー)クラシコバッファローまだクリームを塗布していない時の写真。マットである。

クリームをとても吸収しやすく、最初に塗布したときは、もしやシミになった?と一瞬焦った。この吸い込み具合からして、水牛の癖に、水には弱いのかも知れない。それを均一にムラ無く薄く伸ばし、待つこと数分。布で磨き上げると、ツルテカに輝き出す。色も変わる。雰囲気が変わる。あっという間である。大化けである。経年変化?エイジング?何ソレ感覚。

ベイビーバッファローのメンテナンスとしてこれが正しい方法なのかわからないが、結局 3つ全てにクリームを塗布してしまった。皮革はじっくり経年変化させるものと思っていた自分にとって、衝撃を受けると同時に、これはこれで楽しすぎた(笑

そしてラストオーダー

カンダミサコの一本差しペンシースは、シュランケンカーフが標準。クラシックバッファロー製のこのシースは、「(タンナーが廃業した為に皮革自体を)今後入手することが出来ないため、今回で最後の製作になります。」と書き添えられ、ひっそりと販売されている。2016/09/11現在、以前はあった、バーガンディー、ダークブラウン、ネイビー、グリーンは既にリストに存在しない。



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