シュランケンカーフに夢想する。カンダミサコのオリーブ色のペンシース。

シュランケンカーフの色に夢想する。

シュランケンカーフの色の数はいったいどれ位あるのだろう。定番色、準定番色、そして毎年のごとく発表される新色。もちろん廃盤となる色もあるのだろうが、他の革の色数に比べるとやはり圧倒的である。普段革皮製品を購入する際に選ぶ色は、黒と茶が基本で、偶に濃い青のネイビー程度である。そんなしみ込んだ考え方を持ちながら、ことシュランケンカーフとなると、そのような色は選ばない。シュランケンカーフは色を冒険したくなる革だ。

冒険と言っても、失敗とか後々後悔することはない。消去法である程度絞ったところで、あとはあみだくじで選んでも問題無い。

何故かと言うと、どうせ別のアイテムを購入して別の色が増えるから、、
と言うような冗談は抜きにして、それぞれ皆個性的で良い色なのだ。

シュランケンカーフの耐久性に夢想する。

所有する革アイテムの中で、最も耐久性のある革皮の一つである。一般的にシボがある革皮は、折り曲げに強いことが知られている。ここにあるペンシースなどは、手に取ってモミクシャにしても離せばほぼ完全に元に戻る。加えて、シュランケンカーフは耐水性が高いことも特徴の一つとなっている。

独ペリンガー社(LUDWIG PERLINGER Gmbh)のサイトに染色に関する説明が記載されている。要約すると

「染色工程で、色を染める事は目的の中のほんのわずかな部分であり、softness(柔らかさ), stretch(伸び), durability(耐久性) or water resistance(耐水性)など、革の特性に多大な影響を与えている」

これだけ良い色を出しているのにも関わらず、目的の中のほんの一部と言い切っているところがスゴイと思う。

どうやらシュランケンカーフの高い耐水性の秘密は、染色工程にあるようだ。シュランケンカーフは染料と顔料の2種類を使い色付けされていて、表面と表面より内側は染料で染められ、顔料でその外側を覆われている。耐水性が高いのは、この顔料によるものだと推察されるが、当然その顔料が剝げ落ちれば耐久性は落ちる。ただ、シュランケンカーフの表面は、ツメで擦ったくらいでは一切キズが付かないほど強固だ。

発色の良さもさることながら、この耐久性には脱帽する。

シュランケンカーフのオリーブ色に夢想する。

カンダミサコのペンシース シュランケンカーフのオリーブ周囲に照明を張っての撮影なので、若干懐疑的な色に写っている。実際のオリーブグリーン(olive green)はこんな感じの色である。

カンダミサコの一本差しペンシースと言えばシュランケンカーフが定番。実は、シュランケンカーフの一本差しペンシースを購入するのは今回が初めて。とは言え、シュランケンカーフの 3本差しや 2本差しを持っている。また、クラシックバッファローの一本差しを持っていたりもする。かなり遠回りとなったが、やっと定番に辿り着いた。ここまで来るのに長く掛かったような短かったような。でも切っ掛けはやはり唐突に来るものだ。

保有する万年筆の本数以上に収納に困らない位のシースを既に持ち合わせていたので、追加で購入する予定は無かった。が、しかし、見つけてしまったのだ。

カンダミサコのウェブサイトにはこう書かれていた

  • おそらく7年振りに入荷したオリーブ
  • オリーブは落ち着いた雰囲気ながら優しい色合い
  • 今のところどれも定番色ではありませんので、今回限りになってしまう色もあるかも知れません

自分の脳内では、これが次のように変換される。

作りたかった色がやっと入荷しました。とても良い色です。今回限りの販売です。買ってね♪  今すぐ買ってね♪∼♬ 

と、まあ、こんな感じに、、

ペンシースに挿入する万年筆に夢想する。

カンダミサコのペンシース シュランケンカーフのオリーブどの万年筆の器にしようかと迷ったが、とりあえずペリカンの M400ホワイトトータスを入れることにした。万年筆の中に入れているインクが、パイロットのいろしずく(色彩雫)月夜で、若干ながら緑がかっているため。

何を入れるか迷ったと言ったが、要は理由を考えているに過ぎない。小物なので、どんな色の組み合わせであっても、良い意味でそれなりのものとなる。

購入して良かった点は、雑に扱えること。シュランケンカーフならではのキズや汚れに対する高い耐久性の恩恵である。鞄の奥深くに無造作に放り込んでも良いし、もちろんポケットの中でも良い。ペンシースは万年筆の収納場所だが、そのペンシースの格納場所に気を使わなければならない位にキズ付き易い素材で出来た製品もある。このペンシースにはそんな心配は無用である。

シュランケンカーフのエイジングに夢想する。

15倍くらいのルーペで表面を見ると染料と顔料による着色の違いが確認出来る。皮革の表面には毛穴や細かなキズがある。染料は浸透性があるので、浸透しやすい箇所、すなわち毛穴やキズの周辺ではより深くまで染まる。拡大してみると、これが斑に見えるのだ。一方、顔料で色付けされた皮革表面は着色料がほぼ均一に乗せられ斑にはなっていない。

ところで、顔料で着色された皮革の経年変化とは、どういうものなのか。

数年使い古したシュランケンカーフのアイテムの表面をルーペで拡大してみると理解出来る。表皮と言うよりも、顔料そのものにツヤが出ているのだ。プラスチクや人工大理石の塊をノコギリでカットした後に、切断面をヤスリで磨くが如く。さらにラッピングフィルムやバフで研磨するが如く。シュランケンカーフのツヤは、表面に塗布されたピグメントや樹脂のツヤであると言って良い。

一般的に顔料で着色された皮革のエイジングは人工的なものとなる。これを皮革のエイジングと言って良いのか微妙な所であるが、少なくとも、シュランケンカーフのエイジングはそれである。

顔料で着色されたスムースレザーだと、これが本当にプラスチックのようなツヤとなり、安っぽく見えてしまう。また、ひび割れが生じてしまうこともある。使い古したシュランケンカーフの表面を拡大すると、やはり多数のひび割れが生じているのが確認出来る。ただし、シュランケンカーフはその名の通り特殊な鞣し工程でシュリンクされている。ひび割れは、そのシボの谷間に沿って発生し、ひび割れとは言え元から谷間であるので目立つことはない。さらにシュランケンカーフは、顔料と染料の両方を使ったハイブリッド型の着色である。人工的なツヤに見えてしまうこともない。

一方、色はどのように変化するのか。残念ながら、色合いが変わっていくほど長い期間使い続けたアイテムが手元に無いため確認出来ない。結構な量の顔料が塗布されているので、多分、退色方向に変化していくものと予想。

シュランケンカーフはそもそもクロム鞣しである。皮革自体のエイジングなど元から期待などするものではない。そんな変化など望まぬとも、充分に美しく、その高い耐久性はその状態を末永く保ってくれるはずである。

今回気付いたこととして、シュランケンカーフと言えども、数年で微細なひび割れが入ること。とても微細なので見た目ではわからないが、ひび割れから水が浸透していくことは容易に想像できる。耐水性を過信して水分を拭き取らずそのまま使い続けてしまうと、著しく寿命を縮める可能性がある。

シュランケンカーフの色数について(追記)

2017/01/16付けのカンダミサコのウェブサイトの日誌の中で、このような記載を見つけた。以下、引用。

定番色や限定色を合わせるとペンシースは現在約30色あります。

さすがに、これだけの色数のアイテムを揃えるのは難しいです。






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