好みの色はうつりにけりないたづらに・・
人の好みの色は、成長するにつれ変化し、より落ち着きのある色を好むようになる。子供の頃は、身につけるモノの色=好みの色で、それが普通であった。
子供の好きな色をご存じであろうか。過去に小学生を対象に学研が調査したことがあって、その一部が公開されている。それによれば、男の子の好きな色は、青、赤、緑・・・。女の子は水色、桃色、青・・・。の順。青は男の子、女の子それぞれが好きな色として挙げられ、共にトップスリーに入る。
ちなみに自分は昔も今も青が好き。実際の所、桃色が好みじゃなくて良かったとは思っている。(桃色好きな男性諸君には申し訳ないが)。
青系の小物がいくつか手元にある。名刺入れはその一つ。色はネイビーである。子供の頃と違って、あまりに派手な色やデザインは好ましくないため、やや大人しめの色を選んだ。大人の事情である。でも、嫌いな色ではない。
同じブライドルレザーのネイビーでも全く異なる革質
約一年ほど経過した二つの名刺入れ。上に置いてあるのは、WILDSWANSの BRANCH(ブランチ)で、サドルプルアップのブラックである。万双のネイビーがあまりにも黒に近いため、ネイビーであることの証明として置いた。はっきり言って万双のネイビーは、全く青くなく、万年筆のインクの色で言えば、ブルーブラックである。日差しに当てるとか、室内光源であれば 20cm程度まで近づけないとネイビーとは気付かない。それ程黒に近い。
一方、GANZOのネイビーは明らかに青い。それも名刺入れとしては少し派手かなと思われるくらいに。
話が逸れるが、GANZOのブライドルレザーは言わずと知れた英国 J&E セジュイック社のものである。数年前まで、セジュイック社のブライドルレザーの表皮には、タップリと集めのブルームが付着してた。これが最近になって極めて薄くなった。ブルームが厚いと表皮の状態がわかりにくく、これを改善するためだ。物足りないと思われる人もいると思うが、店に行って、アイテムを箱から取り出し、品を見定める際にとても助かっている。
さて、これらが一年経過し、どのように変化したか。
まず、万双のブライドル名刺入れは、明らかにツヤが増した。購入した当初はマッドでザラ付き感もあって少々心配した。が、順調に良い方向に変化してくれているようだ。表面の滑らかさはまだ一歩譲るものの、こと、光の単なる反射のみに限って言えば、GANZOのそれと変わらない。
余談だが、同じ革を使っている万双のブライドルレザー ミニ財布を普段使用している。こちらはほぼ毎日持ち歩いているので変化が早かった。今では、GANZOの名刺入れよりはるかに艶やかになっている。
名刺入れは、滅多に取り出ささないアイテムなので、経年変化はゆっくりだ。
一方のGANZOの名刺入れはどうか。こちらは、万双のブライドルレザーに比べ圧倒的に変化が少ない。エイジングの欠片もない。初めから完成されたツヤと表面のきめ細かさと言って良い程の出来なので、これはこれで悪くはない。願わくば、ずっとこのままであってほしいと密かに思っていたり。
名刺入れの内側は変化がゆっくり
財布のように毎日何度も手に触れることがないので、内側は目立った汚れも無く綺麗である。万双のヌメ革は、ツヤは出るものの、色の変化はほぼ無し。一方の GANZOのミネルバボックスは、若干ながら色濃くなっている。GANZOの内部に使われるミネルバボックスはナチュラルと呼ばれているが、染めていない訳ではない。ナチュラルカラーに染色したものだ。ミネルバボックスの本当の意味でのナチュラルは、ボーネと呼ばれ、白に近い。
映像を見ても、新品と遜色ない。一度も取り出さない日もある位に出番が少なく、内側に名刺がしっかりと入っているので型くずれもしにくい。したがって、革アイテムとしての味が出てくるのは、三年以上先だろうか。あるいはもっと先かもしれない。
(動画撮影日:2016/12/25 pm3:00 曇り 1280 X 720 ファイルサイズ 10MB)
と言うことで、きっと皆さんはこの記事を見て、このブログレビューを「なるほど、参考にならないことがわかった。」と評されているに違いない。一年も経てばもう少し変わってくれるかなと思っていたが、使用頻度が少ないのでそこまで明確な変化は確認できなかった。少し早まった感は正直ある。もう少し年月が経ち、第一形態へ移行したと認められる頃に再びレビュー記事を書き上げたいと思っている。今回はゴメンナサイ。