Haswellになって、新しい省電力機能が追加された。電圧レギュレータをCPUパッケージに組み込んで、よりきめ細かな電力制御を行う。元々Ivy BridgeでもC6,C7ステートと呼ばれる機能はあったのだが、これが強化されたらしい。
と言うことで、Haswell C6/C7ステートに突入してみた。
やり方ははBIOSの【Advanced】→【CPU Configuration】内の次の4項目を設定するだけ
- CPU C3 state support 【Enabeled】
- CPU C6 state support 【Enabeled】
- CPU C7 state support 【Enabeled】
- Package C State Suport 【C7】
ついでにと言っては何だが、さらに省電力を狙うため、メモリーも交換
主なスペック
- 【ケース】 Antec ISK-110 VESA
- 【CPU】 Intel® Core™ i7-4770T
- 【MOTHER BOAD】 Asrock H87M-ITX
- 【COOLER】 Noctua NH-L9i
- 【FAN】 XINRUILIAN RDL9025SBK-PWM 92x92x25mm 2,000rpm
- 【MEM】 DDR3-1600 CORSAIR VENGEANCE LP 4GB×2枚 1.35V(低電圧型)
- 【DRIVE】 CSSD-56T128NHG5Q
- 【TDP】 45W
- 【測定条件】 マウス、キーボードはUSBにて接続。モニターはDVI-Dにて1920*1080出力。LANはGbEにて接続。
【CORSAIR VENGEANCE LP】
CML8GX3M2A1600C9W
定格電圧1.35Vの低電圧モデル CL=9-9-9-24、DDR3-1600MHz
ヒートスプレッダが真っ白でやたら目立ちます。ただ、H87M-ITXはメモリ電圧を細かく調整することが出来ず、1.35Vの下は1.25Vとなる。当然1.25Vに設定すると、起動時にブルースクリーンに・・・これはちょっと無茶ですなw
結 果
- 【アイドル時消費電力】 9W
- 【OCCT最大消費電力】 67W
夢の一桁台、デンジャラスゾーンに突入・・・。ワットチェッカー表示は8Wが80%、9Wが15%、7Wが5%の割合。アイドル消費電力8Wと言っても良いのではないか。
にしても、一応92mmのファンが回ってるし、マウス底の穴が青く光ってるし、キーボードもNumLockランプ点灯してるし、SSDにもメモリにも電力は供給されているはず、一体CPUはどれだけ少ない電力で駆動してるのやら
設定の謎
ところで、BIOS設定について少し奇妙なことが
どうやらPackage C State Suportを明示的に設定しないとうまく動作してくれないようだ。代表的な設定とその時のアイドル時消費電力は、(表記・・e:Enabled d:Disabled)
① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | |
CPU C3 state | e | e | e | e | e | e | d |
CPU C6 state | e | d | e | d | e | d | d |
CPU C7 state | e | e | d | e | d | d | d |
Package C State | C7 | C7 | C6 | AUTO | AUTO | C3 | d |
消費電力 | 9W | 9W | 10W | 11W | 11W | 13W | 14W |
※①②と③の差はほぼ無し。同様に⑥と⑦も差はほぼ無し。
ISK-110付属ACアダプタのC6/C7 power state対応について
HaswellのC6/C7 power stateを利用するには、CPU向けの12V2系統の供給路で最小0.05Ampsの出力(0.6W)を維持出来る電源が必要らしい(従来のATX12V v2.3デザインガイドライン規格ではCPU用の最小動作電流は0.5アンペアを要求するのみ)のだが、古い電源とか、安価な電源だと最小0.05Ampsの出力(0.6W)維持を満たすことが出来ずに、システムが不安定になったり、不足電圧保護や過電圧保護機構が働き、最悪shutdownしてしまうとか。
一応、ISK-110に付属する新旧2つのACアダプタでは不具合は認めらなかった。また、予備用で持っていたELECOM社製ACDC-FU1990BKSWでも問題は発生しなかった。ACDC-FU1990BKSW(アイドル消費電力はISK-110付属ACアダプタに比べ、1W程上昇。がしかし、ISK-100、ISK-110のメインプラグコネクタサイズ2.5/5.5mmに変換プラグ無しで刺さる。スイッチ付きなのが非常に重宝してる)は、テクノハウス東映店舗で1,980円で購入した、ある意味安価な電源。
ただ、ACアダプタ本体の問題と言うより、どちらかと言うとISK-110に搭載されているDC-DC基盤が優秀であるとの考えもある。もしかしたら、別のDC-DC基盤に接続した場合は異なる結果が出るのかも知れない。
いや~。アイドル時の消費電力には驚かされます。私もM-ITXを一枚持っていますが、3570KでもC6で、21Wといった感じですから、4770Tに省電力電源+C7ならば十分に9Wは考えられます。ZのMも持っていますが、10数ワット高くなってしまうようです。ITXは、一般のマザーボードより消費電力が低いようにも思えるのですがどうなんでしょかね。HとZだけでも消費電力が違うような感じもしますが。
なんか、ここに来て凄いと言うか、やっとと言うか、いつの間にここまでと言うか
すごいですよね