日本の玄関扉は外開き、たまに引き戸も見かけたりする。一方、海外は内開き。また、海外に行くと、家に入るときに靴を脱がずにそのまま入れる国がある。海外、特にヨーロッパの建物は石あるいはレンガ造りである。そして街中を走る通路は石畳。つまり、家の中の床と外の地面とで明確な差が無く、家の中と外とで履き物を共有してもそれほど違和感は感じない。履き物のまま家の中に入る習慣はこんなところから来ているのだろう。ちなみに、日本で土足のまま家に入るのは泥棒くらいだ。
一方、日本の建物は木造が主流だ。今でこそアスファルトだが、昔は家の外は土であった。木で造られた家の中に、土が付いていたり濡れた履き物のまま上がり込むとどうなるか。言わずもがな、すぐに木が腐ってしまう。その為、どうしても履き替えが必要となるのだ。玄関扉が外開きもしくは引き戸である理由は、その履き替える場所を確保するためと言える。
さて、来客があった場合、内開き玄関扉だと招き入れることとなる。一方、外開き玄関扉の場合は自ら出迎え、その後に招き入れることとなる。そう、家の中に入る過程で1ステップ工程が多くなるのだ。この1ステップを超えられるかどうかで、その人との親密度がわかる。
“敷居をまたぐ”あるいは”二度と敷居をまたがせない”と言う言葉があるが、この敷居がまさにその境界。招かざる客はここで止められる。
以上、私説が入っているので、鵜呑みにしないように(笑)。兎も角、日本の家にとっての玄関は、海外と違って特別な役割を持っている。
やっと本題。人を招き入れるその特別な場所であるはずの玄関床がかなり汚れてきている。毎日使っている為もあってか、その進行具合に気付けなかった。と言うことで、玄関床のニス塗りが今回のテーマ。
床用ニスには、水性と油性があるが、水性は無色透明、油性は昔ながらの飴色となる。床がかなり草臥れているので、無色透明な水性は即却下。油性には、一般的なニスの他、屋内床専用で、速乾タイプが売られている。春とは言え、夜間はまだ冷え込む。乾燥の早さは重要項目。今回は、その速乾タイプを使用する。ちなみに塗装開始時間は夜中の00:00。塗布一回当たりに掛かる時間は 30分程度。家族が朝起きてくる頃に素足で通れる程度に乾燥してくれる。
この写真、かなり恥ずかしいのだが、敢えて載せてみた。ご覧のように、ものすごい汚れ具合。普段は気付かなかったけど、この床でお客様を招き入れていたとは…
写真に写っている工具は、マキタの仕上サンダ BO3710。木工作業をやる中で、最も活躍している電動工具の一つ。買って良かったと思う工具。これを持っているのと無いのとでは作業時間に数倍の差が出る。土日もしくは平日夜間しか時間が取れない DIYにあっては、絶対に揃えるべき工具。
使用したサンドペーパーは #120と #240。普通は #180もしくは #240どちらかで良いのだが、あまりにも汚れが酷かったので最初 #120を使用。
一通りサンドペーパーで仕上げた後、掃除機を掛け水拭き。乾いたところでいよいよニス塗り。
ニスを塗るには、ハケもしくはコテハケを使うが、自分はハケのみ。コテハケは、ハケに付着したニスの量が掴みにくい。まあ、慣れてくれば、ハケよりも早く塗布することが出来るらしいのだが…。
以下我流
ニスの希釈はメーカー指定よりかなり薄める。夏期 10%、冬期 20%と注意書きにあるが、思い切って 50%位に薄めてしまう。また、撹拌はあくまでヘラで。缶に入れたまま振ると気泡が入り込み、そのまま塗ると塗布表面にブツブツが出来てしまう。実際に塗布するときは、あくまで薄く、カスレても二度塗り、逆塗りしない。ニスは一度で仕上げることはないので、カスレ部分は二度目以降の塗布で自然に消える。乾燥時間は長めに。結局今回は計五回塗ることとなった。
仕上がった状態がコレ。傷が付こうが、シミが付こうが長年何のメンテをしなかったため、新品同様とまでは行かないけど、それなりに綺麗な飴色に仕上がった。ニス特有のツルツルテカテカ。これで、お客様を快く招き入れることが出来る玄関となった ♪