Antec製の ISK-110は、ISK-100の後継となるケース。ISK-100では側面パネルに10cmの薄型冷却FANが装着されていたが、こちらはケースFANが無くなり側面が完全にメッシュタイプとなった。側面メッシュが中央部で盛り上がり、より高さのあるCPUクーラーの装着が可能である。
ISK-100だと、冷却能力の高いCPUクーラーを取り付ける場合、どうしても冷却FANの設置スペースが無いため、ケース外への取り付けなどの工夫を余儀なくされ、皆さん苦労(楽しみ?)されていた。ISK-110になって、全高45mmまでのCPUクーラーの装着が可能となる。
mini-ITXケースの場合、このわずか数ミリのサイズアップの意味は非常に大きい。
主なスペック
- 【ケース】 Antec ISK-110 VESA
- 【CPU】 Intel® Core™ i5-3570T
- 【MOTHER BOAD】 Asrock H77M-ITX
- 【COOLER】 Noctua NH-L9i
- 【CPU FAN】 XINRUILIAN RDL9025SBK-PWM 92x92x25mm
- 【MEM】 DDR3 4GB×2枚
- 【DRIVE】 SYSTEM:Plextor PX-128M5P、DATA:Toshiba MQ01ABD100 1Tbyte
- 【TDP】 45W
- 【アイドル消費電力】 21W
- 【測定条件】 マウス、キーボードはUSBにて接続。モニターはDVI-Dにて1920*1080出力。LANはGbEにて接続。
組み込みの際のポイント
- i5-3570Tはバルク品であるため、CPUクーラーが付属しません。今回は、Noctua NH-L9iを選択。マザーボードによってはCPUソケット周りの部品に干渉する可能性があるため、事前にCompatibilityListで確認。
- Noctua NH-L9iは、標準で厚さ92×92×14mmの薄型ファンが付属するが、冷却効果を上げるため、25mm厚のファンに換装。側面パネルとファンの間隔を狭め、ケース内でエアの循環を防止し、ケース外のエアを積極的に取り込む為。
- ISK-110は高さ45mmまでのクーラーが装着可能と書かれているが、+3mmの高さ48mm(Noctua NH-L9iのヒートシンク厚さは23mm)まではどうやら装着可能のようだ。
- Noctua NH-L9iは、マザーボード背面からネジを通し、CPUクーラーのブラケットに固定する方式。標準で付属するネジを用いると、厚さ9.5mmのHDD/SSDはボルトに接触してしまう。そのため、別途ボルトの頭の高さが低いネジを準備する必要がある。
- Antec ISK-110 + Asrock H77M-ITX + Noctua NH-L9iの組み合わせで、厚さ25mmのファンを取り付けた場合、ケース側面パネルとファンフレームが接触してしまう。ヤスリを準備しておこう。
実際の組み込み
【組み込み状況】:マザーボード上に被らないように配線。マザーボードの電源端子が電源DC-DC基盤に近い上端にあるため、どうしても余計な配線は空きスペースに束ねることに。
【ファンの面取り】:組立完了と思ったら、側面パネルとCPUファンがほんのわずか接触している。しかたなく、ファンフレームの角をヤスリで面取り。
【側面外観】:側面パネルを組み付けるとこんな感じ。CPUが下端に位置するが、左右のほぼセンター位置に来る。ファンと側面パネルの隙間は0.5mmも無い模様。接触無し。そして完成。
【OCCTでシバいてみた】
———2013/06/12追加計測———
- 最大到達温度:67℃
- 最大消費電力:61W
夏場であっても、特に問題無さそう。
ゲーム以外なら何でもこなす、ある意味オールマイティな小型PCの出来上がり。消費電力もHDD容量1Tを積んでいながら低め。CPUを、内蔵GPU性能が高い i7-3770Tに変更すれば、そこそこのゲームも楽しめるかも?誤算は、東芝製HDDがチキッチキッとかなり気になる駆動音を発すること。ファンはこの季節だとほぼ無音。