断熱効果の確認。古い雨戸の内側にスタイロフォームを張り付ける。

投稿者: | 2023/12/09

48年前(1975年製)のトタンの雨戸は断熱性皆無であった

48年前(1975年)のトタンの雨戸の再塗装

もうすぐ 50年経過する我が家を自分で出来る範囲でリフォーム中。
つい先日、雨戸の外側を塗装した。

で、気が付いた。

この雨戸の断熱性が皆無であることを。

48年前(1975年)のトタンの雨戸の室内側

雨戸の材質は薄いトタン板。枠部分はアルミ。
戸袋に収納するタイプで、外気は戸袋の隙間から窓と雨戸の間へ自由に出入りできる。

内側の窓は、今では考えられない程広く、横巾 2.6mの2枚建て(2枚引違い)。
室内をどんなに必死に冷暖房効かせようが、この広い窓を介して熱は容易に行き来する。

古い建屋の大きな窓の断熱対策は、省エネに必須なのだ。

雨戸の断熱対策

48年前(1975年)のトタンの雨戸の厚さ

窓の断熱対策の手法は様々あるが、断熱材を用いるのが一般的で、DIYが可能なところも大きなメリット。
それ以外は二重ガラス化など多大な費用を要する。

断熱材を敷設する箇所は、窓ガラスの内外の他、雨戸への組み込みがあるが、雨戸の室内側に約 15mmの断熱材を差し込むスペースがあることが確認できたため、今回はこの両サイドの差し込みスペースを使ってそこに断熱材を押し込んで固定する。

厚さ15mmのスタイロフォーム

選んだ断熱材は厚さ 15mmのスタイロフォーム。
グラスウール等の繊維系と違って、断熱材そのものが強度を持ち、形状を維持してくれるところが素晴らしい。

スタイロフォームの丸のこによる切断

今回、切断は丸のこを使った。細かな粉が大量に発生するので掃除にはブロア必須である。
なお、カッターでも切断できるが、試しにやってみたところ垂直にカットできなかった……

厚さ15mmのスタイロフォームの雨戸へのはめ込み

両側の凹の部分にスタイロフォームを差し込むことになり、それにはスタイロフォームを大きく湾曲させなければならない。
実際やってみたところ、厚さが 15mmと薄いためか容易に曲がってくれた。難関と思っていたが、その予想は大きく外れた。簡単であった。

ところで何となくはめ込んだ 2枚のスタイロフォームの表面の粗さが異なっているように見える。スタイロフォームに表裏は無いはずなのだが、ホームセンターで最も安価なものを選んだ為、若干怪しさはある。
スタイロフォームは JIS A 9521により規格化されているが、そもそもこの商品にはその記載が無い。一応、ホームセンターの価格表示札には、1Bとの記載があった。

とりあえず透湿性に影響しそうなので、表面が細やかな面を室内側に来るようにこの後入れ替える。

スタイロフォームのブチルゴムテープによる接着

念のため、あくまで念のため両面接着のブチルゴムテープを使って中心付近 1か所を接着。

厚さ15mmのスタイロフォームによる雨戸の断熱

雨戸にスタイロフォームをはめ込んだのが上の写真。

スタイロフォームの真ん中が浮き上がっているように見えるが、広角レンズで撮影したための湾曲収差によるもの。
実際には綺麗に面一で収まっている。

スタイロフォームによる雨戸を断熱処理した際の引手用取っ手取付け

スタイロフォームを雨戸一面にはめ込むと、開閉する時に雨戸を持つことが出来なくなる。
なので、引手用取っ手を取付ける。

引手はなるべく出っ張らないものを選び、雨戸のフレームに 2か所穴を孔け、ブラインドリベットで固定する。
引手の指が入るところは、スタイロフォームをくり抜いてある。

スタイロフォームを使った雨戸断熱の効果は室内保温

断熱対策していないトタンの雨戸の室内側表面温度

今は冬間近の 11月下旬。

まずは、同じ室内(室温 20℃)の、断熱対策を施していない別の窓の雨戸の室内側をサーモグラフィーで温度を計測してみる。

室内の空気は、窓ガラス経由して、ガラスと雨戸の間の空気層を通過した後に雨戸のトタン板やアルミ枠を通して冷たい外気により熱を奪われるのだ。

写真がカラフルで温度差がありそうに見えるが、実際にはアルミ枠とトタン板の温度差は 1℃も無い。

暖房機で温められた室内の空気の熱は、この広い伝熱面積を持つ雨戸によって室外へと放出される。
夏の室内冷気も同様だ。正直たまったものではない。

厚さ15mmのスタイロフォームによる雨戸の断熱の効果

で、こちらがスタイロフォームを使って断熱対策した雨戸の室内側をサーモグラフィーで計測した温度。室温は同じく 20℃。

上で計測した時刻とは異なるため、絶対値の比較は出来ないものの、スタイロフォームの表面温度は、アルミ枠に比較して 5℃程度高くなっている。

スタイロフォームの表面は、窓ガラスを通過した熱が雨戸とガラス窓の間の空気層を介して伝わるので、この空気層そのものは 15.2℃以上を保ってくれているものと推察される。
すなわち、断熱材スタイロフォームによって室内は保温されているのだ。

で、実際にどのような効果があったかと言うと、暖房に関しては真夜中の寒い時間帯に於いても暖房機の出力を中から弱に出来た。
また、前の晩に暖房機を使って温めていた室温が下がるには下がるが、体感できる程度まで朝まである程度高い温度を保ってくれるようになった。

部屋には雨戸がある窓が 2か所あって、この体感できるまでの効果は両方の窓の雨戸に断熱対策を施した結果で、これって、結構な省エネになってくれる気がする。
多分、これほどまでの効果が得られたのは、建物が古かったこと、窓の面積がやたらと広かったこと。なんだと思う。

断熱材の効果は、冬に部屋を暖かくするとか、夏に涼しくするとか言うものではなく、あくまで室内保温。
冷暖房機具のエネルギー消費を抑えてくれるのだ。

断熱性皆無のトタン雨戸の家をお持ちの方、是非お試しあれ。





断熱効果の確認。古い雨戸の内側にスタイロフォームを張り付ける。」への2件のフィードバック

  1. しげちょびん

    素晴らしい!ちょうど同じことを考えていたので、大変助かりました。勉強になりました。早速試してみます!

    返信
    1. futsutsukamono

      しげちょびんさん、こんにちは。
      お越しいただきありがとうございます。

      これって、古い家ほど効果がある気がします。
      こちらの家を建てた当時は、黄色い断熱用グラスウールを外壁と内壁の間に敷き詰めるのがやっとで、窓まで断熱するという発想すらなかった時代です。

      スタイロフォームは、ホームセンターで手軽に且つ安価で購入できるので、費用対効果は抜群。
      自分の中では、やって良かった DIYリフォームの代表格の位置づけとなっています。

      今後ともよろしくおねがいします。

      返信

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