コーケンのサイズ固定のタップホルダーのレビュー

投稿者: | 2023/05/30

手で雌ネジを切る作業はとても繊細

タップハンドルの種類

1回転時計まわりに回してネジを切り、1/4回転戻す。
あるいは、1/2回転時計まわりに回してネジを切り、1/2回転戻す。
もしくは、3回まわして1回戻す。人によってはもっと数多く戻す。
タップの回し方には色々なやり方が散見される。多分、どれも間違っていないのだろう。

そもそも決まった方法が無いように思える。

対象が鉄なのかステンレスなのかアルミニウムなのか、使用するタップの種類やサイズ、そして消耗具合など、様々な条件によってタップの立て方は異なってくる。
やり方を間違えるとタップの破損も起こり得る。コツは無理をしない事。あと1/4回転回せられると思いつつも、そこで我慢して戻す作業を選択する判断加減が大事。

手で雌ネジを切る作業は、タップに掛かる負荷の大きさを感じながら行うとても繊細な作業なのだ。

ホームセンターで売られているタップハンドル達

繊細な作業なので、タップを立てる上で、組合わせるハンドルの選定はとても大事。

タップ立てに用いるハンドルにはいくつか種類があって、まずはホームセンターで良く見掛ける 2つを紹介したい。

1本は持っておきたい汎用タップハンドル

汎用タップハンドル

こちらは最も一般的なタップハンドルで、タップに直接取り付けて使用する。
基本さえ守れば、ほぼ誰にでも雌ネジが切れる。

なお、タップハンドルにタップを固定する際には、タップを固定するハンドルをプライヤ等を使って増し締めする必要がある。
手だけで締め付けた場合、大抵は緩んで抜け落ちる。

10年以上使っているが、壊れる気配が全く無い。安価だが決して消耗品ではない。
他にどのようなハンドルを所有していたとしても、一つは持っておきたい道具。

ラチェット機能が組み込まれたタップハンドル

ラチェットタップホルダー

ラチェット機能が組み込まれたハンドルは、ホームセンターでの取り扱いもあることから入手性も良く人気のある商品。タップハンドルではなくタップホルダーと称している場合もある。

ハンドルを持ち変えることなく、連続的に回すことが出来るのが特徴。

ただし、新規に雌ネジを切る場合、時計まわりに回した後に逆回転させる作業を何度も繰り返す作業となることから、回転方向を切り替えるスイッチの操作が都度必要で、この上なく作業が煩雑になる。
一部のメーカーでは新規の雌ネジ切りではなく、ネジ山修正作業に使うことを推奨している。

汎用タップハンドルの作業性に満足できず、ラチェット機能に期待して購入してみたものの、購入初日以来、新規に雌ネジを切る用途には全く使っていない……

ポイントタップと組み合わせると具合が良いとの声がチラホラ。

シーン合わせて形態変化するコーケンのタップホルダー

ここに紹介するコーケンのタップホルダーは、先の 2つと異なり、3/8”(□9.5)差込角を持つソケット型のホルダー。
単体で使えない代わりに、様々なハンドルと組合せ、シーンに合わせた形態に変化してくれる。

コーケンでは、こちらのタップ取付けサイズが固定なタイプの他、アジャスタブルタップホルダーも取り扱っている。
自分がよく使うサイズは 4mm、5mm、6mmそして8mmがメインで、2サイズあるアジャスタブルタップホルダーを丁度跨ぐ形となりコスト的には高くなる。なので、自分はアジャスタブルではなく、固定型を必要なサイズのみ購入した。

スタンダードな形態はT形ショートスライドハンドルとの組み合わせ

コーケンのタップホルダー

上の写真は TONEの T形ショートスライドハンドル SL30Sを組合わせたもの。自分が最もよく使う形態。

セットした時の重さは先の汎用タップハンドルやラチェットタップホルダーよりも軽い。

か細いタップに重たいハンドルを組合わせた場合、ハンドルの重さに振り回されてタップを折ってしまう事が間々ある。雌ネジ切り作業は繊細な作業であってパワープレイではないのだ。軽さは正義。

周りに障害物があるときにはT型ハンドルを組合わせる

コーケンのタップホルダーとT形ハンドルの組合せ

タップ立て位置の周辺に障害物があるときに使う組合せ。らしい。
らしいと書いたのは、この形態で自分は使ったことが無いため。

取付けているハンドルは KTCのディスクパーキングツール AB-53。ディスクブレーキのピストン脱着工具のオプション品だが、普通に □9.5の T型ハンドルとして使える。非常にコンパクト。

小径タップはクイックスピンナーアダプターで十分雌ネジが切れる

コーケンのタップホルダーとクイックスピンナーアダプターの組合せ

小径タップは、ネジ切りに必要なトルクが小さい。一方、下穴に対し斜めに挿入してそのまま回転させると容易に折れてしまう。タップ自体が細いため下穴に垂直にタップを落とし込む必要があるのだ。

そんな時は、このクイックスピンナーアダプターとの組合せが良い。
ハンドルが軽量で片手で操作でき、必要に応じてもう片方の手で補助する。自分はタップ径 4mmはこの形態で作業している。

ネジ山修正もこの形態でいけちゃう。


こちらに挙げた例の他に、エクステンションバーやラチェットを取付けたり、ハンドルはお好みのままに。
ワンタッチ装着・取外し。保持力も充分。

出来る事なら、1/4”(□6.35)サイズにして更なる軽量化とコンパクト性を目指してほしいと思うのは自分だけじゃないはず。









コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です