年に何回も机上のコップを倒す
PCを操作している最中、ゲームしている最中。書類にペンを向けている最中。それは突然起こり得る。
瞬きをする間もなく戦慄すべき悪夢のような光景が目の前に広がる。
このショッキングな事件は年に何回も繰り返されることから、自分の使うキーボードは当然水洗可能なタイプ。机の下には耐水性の床マット。
糖分が入っていると拭いてもベタツキ感が残るので、飲み物は無糖ブラックコーヒーのみ。
もちろん市販されている倒れないコップとか、こぼれないコップとかをいくつか購入して使ってもみたが、いずれも倒れたし、こぼれたのだよ。
色々なものを購入して、試して辿り着ければ良いのだけれど、辿り着けそうになかったので自分で作った。
使ったフランジは外径 180mm 厚さ 18mmの JIS10K 80A溶接フランジ。フランジと配管の合計重量は約 3kg。溶接配管の上部までの高さ 90mm。配管厚さ 3.0mm。内径 83.1mm。
上部にゴム製モールを取付けると有効内径は 80mmとなる。
転倒のしにくさを得るには
重心位置が低く、転倒支点から重心までの水平距離が大きいほど、転倒しにくくなる。
このコップホルダーの転倒支点は、フランジの下面外側エッジ部で、重心はフランジの中心。
また、フランジ部分は総重量に占める割合が大きく、重心は限りなく低い。
なので、コップホルダーにコップを挿入し、コップの縁を指で水平方向に力を加えて転倒させようとしても、その為にはものすごく大きな力(モーメント)を要することは容易に想像できる。
このコップホルダーは倒れにくさの観点から見れば理想的な形状なのだ。
こぼしにくさを得るには
コップ内の飲み物をこぼしにくくする工夫も必要である。倒れずともコップの中の液体が揺れ動くことを防ぐ必要があるのだ。
こぼしにくさを得るには、すなわち水平方向の移動耐性を上げることに他ならない。
このコップホルダーは、底部にフランジに合ったゴムパッキンを接着することで水平移動を困難にしている。
指で配管の側面を押すと机が揺れる。結構な勢いで側面にグーでパンチすると同じく机が揺れるだけでコップホルダー動かない。
というか手が痛い。
ほぼ机と一体化しているため、このコップホルダーを使い始めて半年。倒したりこぼしたことは無い。
多分これが倒れるのは、地震で家が倒壊する時。