電光掲示板にも時計にもなるデジタルマルチメータ
とあるものを修理するために久々に天井裏から引っ張り出してきたのはデジタルマルチメータ 34401A。HP(ヒューレット・パッカード)の時代から Agilentを経て Keysightに代わってからも 2016年まで販売され続けた超ロングセラー商品。丈夫で視認性、操作性も良好な 34401Aは、電子工作を趣味にしている人の所有率が高い。
HP(ヒューレット・パッカード)の電気・電子計測機器は、ほぼ全てに GP-IBインターフェースが組み込まれていて、このデジタルマルチメータ 34401Aもその例に漏れず背面にコネクタを有している。
PCに接続さえしてしまえば、データの取り込みからデジタルマルチメータの操作まで、何でもござれな運用が出来てしまう。
ハンディタイプに対するベンチトップ型のデジタルマルチメータの優位な点は、この PCとの連携のし易さ。
GP-IBの接続ケーブルは少々値が張る
こちらは、Keysight純正の 82357B USB/GPIBインタフェースケーブル。
まともに買うと、数か月分のお小遣いが消える。
一方、最近の計測器は USBインターフェースが主流で、その場合だと 1,000円以下でケーブルが買えてしまう。
デジタルマルチメータ 34401Aは、中古市場に多く出回っているが、ケーブルのコストにこれだけ差があるため、既に 82357B USB/GPIBインタフェースケーブルを持っている場合を除き、中古ではなく新製品の購入も選択肢としてありかな。と最近思ったりする。
実際に GP-IBで接続した時の計測器背面。
2台の 34401Aを 10833A GPIBケーブルで接続している。
で、このケーブルも個人で買うには決して安くはない。お小遣い半月分である。
接続機器を追加するたびにこのケーブルが必要になってくる。懐的にはかなり厳しい。
Keysight Connection ExpertによるPC接続確認
Keysight製品と PCを連携したいならば、まずは Keysight IO Libraries Suiteをインストールすること。
上の写真は、Keysight IO Libraries Suiteに組み込まれた Keysight Connection Expertの画面。
複数の計測器の接続を一元管理するためのアプリケーションで GP-IBだけではなく、USBや RS232Cで接続された機器も同じ画面上で管理できる。
82357B USB/GPIBインタフェースケーブルで計測器と PCを接続し、Keysight Connection Expert上で機器が認識されていれば勝ったも同然である。
さらに、Keysight Connection Expertのアドオンである Command Expertを使えば、SCPIコマンドを PCから発行でき、動作確認が行える。
こちらは、34401Aのディスプレイに、”HELLO WORLD”を表示するコマンドを発行したときのもの。
なお、手持ちの 2台の 34401Aの場合、最新の Connection Expertではエラーが出て動作しなかったため、こちらでは古いバージョン(1.6)を使用している。