PCケースファンは5V駆動できるのか…
PCケースファンの定格電圧は DC12V。
直流モーターは、印加電圧を下げると回転数が下がる。効率は別にして、消費電力も下がってくれる。そのため、静穏・低消費電力 PCを組む場合、PCファンの低電圧駆動は欠かせないものとなっている。
PCに組み込まれる電源は、3.3V、5Vそして 12Vを出力でき、PCファンの低電圧駆動は、この 5V出力を用いるのが一般的。
ただし、定格電圧が DC12Vなので、全ての PCケースファンが 5Vで駆動できるかと言えば、否である。
興味半分で、と言うか興味 100%で、引き出しの中に大量に保管してあったファンの起動可能な最低電圧を調査してみた。
何分にも、大昔に購入したファンなので、今では販売されていないものも多く、あまり参考にならないかも知れない。
使ったのは、デジタルマルチメーター(DMM)と直流安定化電源。どちらも普段電子工作に使っている機材。
ヒステリシスがあるので、また、相手がコイルなので、DMMの表示を見ながら電源のツマミをゆっくりと操作し、ファンが回転し始めた時の電圧を読み取った。
こちらは今年の夏、卓上扇風機としてとてもお世話になった Noctua NF-A15 PWM。
使っていたものなので当然 5V以下で起動できる。
4.46Vと余裕である。
こちらは同じ Noctuaの NF-P12。
6.15Vを印加してあげないと起動しない。
ファン直径が小さい分、楽に起動するものと予想していたのだが、結果は逆であった。
それではとばかりに、同じ Noctuaのファンをもう一つ。NF-A14 FLX。
4.29Vと余裕である。
ファンの厚さの違いによる起動電圧は…
こちらはPCパーツショップで良く見かけるXinruilian & Technologyのファン。
5.12Vとぎりぎり起動しない。
X-FANをもう一つ。厚さ 38mmの爆音仕様の RDL1238S。
4.11Vと余裕である。
厚くて大口径ファンは起動電圧が低いのか…
ならばとばかりに、違うメーカーのファンを計測してみた。こちらはサイズの SY1225SL-12L。
4.04Vとかなり低い。
では、より径の小さい(100mm)、且つ薄い(12mm)ファンはどうなのか。
こちらは、サイズの SY1012SL-12Lで、起動電圧は 6.64Vと高い。
で、実際どうなのよ
手持ちのファンの中で最も起動電圧が高かったのがコレ。
S-FLEX SFF21Dで、何と 8.38V.
計測当初、厚く大きな径のファンのほうが起動電圧が低い値が得られたので、そうなのか?と思いきや、後々ここに掲げた以外のファンを計測してみたところ、決してそんなことは無かった。
結局のところ、明確な法則は無く、5V駆動対応と明記されていない限り、完全なガチャであった……