VブロックのA型とB型の違い
一般的に、Vブロックのサイズ呼称は、幅寸法が用いられる。写真の 2つはどりらもナベヤの 75㎜Vブロック。
右が A型で、左が B型。
同じ幅であれば、B型のほうが高さと長さ(奥行)共に大きく、幅を基準にした場合、大抵は A型のほうが高価。
ただし、同じ幅であれば、A型に比べ B型のほうが V字の深さがあるので、より太い丸棒を載せられる。
ところで、Vブロックに何故 A型と B型があるのか、それぞれのルーツは何なのか。
ネットを彷徨ったり、国会図書館で調べたりもしたが、解らずじまい。
情報求む。
Vブロックの用途
通常は 2つセットで使用する。単独で使う場合もある。
上に乗せるのは大抵は丸棒。丸棒を取り扱う時は必須な機具である。
同じメーカー同じサイズであっても、2つが正確に同一寸法となるよう、販売は 2つセットである。
Vブロックの一般的な使い方
通常、定盤の上に 2台並べ、その上に丸棒を渡らせて罫書なり、採寸なりを行う。
写真の丸棒は φ30の真鍮。
ハイトゲージやトースカンと尺立てを組合わせて丸棒の中心をケガいてみたり。
A型は小さくとも積載可能な丸棒のサイズの範囲が広い
A型は、底面にサイズの異なる 2か所のV溝がある。A型よりも小さいが、積載可能な丸棒のサイズ範囲は広い。
写真の丸棒は真鍮の 18㎜と 12㎜。
治具として使う
Vブロックは、各面が直角あるいは平行になるよう精密に加工され、汎用治具としても優秀。
写真は、ボール盤バイスと組み合わせた例。
Vブロックを固定アゴ側に置き、V溝を利用し丸棒を垂直に立てている。これにより、丸棒に軸方向の穴が孔けられる。
ただし、挟み込むワークは柔らかいものに限る。
イケールの代用
垂直な面を利用して、イケール代わりに。本物ののイケールに比べると使い勝手は悪いが、代用は可能。
また、マグネット付き曲尺を取り付け、トースカンの採寸にも使える。
フライスを使って、ブロック材に幅の広い C面取をする際の角度調整にも使える。
VブロックのA型・B型どちらを選ぶか
A型とB型は、一長一短に思えるが、自分の場合、同じサイズ(サイズ呼称)の A型とB型では、使用頻度は圧倒的に A型が多い。
A型は B型に比べ低く、先のボール盤用ベタバイスを使う際、口金の開きを節約できる。場合によっては、1クラス小さなバイスを用いることができるのだ。
また、全ての面が研削されていて、鋳肌が一切ないので洗浄もしやすい。