USB3.1 Gen2インターフェースを持つ裸族のお立ち台 CROSU31TP
つい先日、USB3.0と eSATAの二つのインターフェースを持つ外付け HDD外付けクレードル「裸族のお立ち台 CROSEU3S6G」を購入したばかり。
で、実際に動作させたときに思ったのが、" USB3.0(USB3.1 Gen1)の転送速度ってこんなもの? "
HDDのみで運用している限り一切の不満は無く、必要十分な速度は出ているのだけれど、一方、SSDを取り付けた場合、インターフェースの公称スペックからすると、どうしてもその転送速度に納得が行かなかった。
また、不満は別にもあった。HDDイジェクトボタンが無いこと。HDDを取り外す際は、SATAコネクタを痛めぬよう両手でゆっくりと真上に引き抜かねばならない。以前使っていた「裸族のお立ち台 eSATAプラス CROSEU2」からのリピーターとしては、不便極まりない。
満足出来る性能が出なかったら、売ってしまえばいいや。
そんな覚悟と期待を胸に、USB3.1 Gen2インターフェースを持つ「裸族のお立ち台 10th アニバーサリーエディション (CROSU31TP)」を購入した。
購入した後にわかったことだが、10th アニバーサリーエディションの名称は、裸族のお立ち台シリーズ 10周年に由来するものと思っていた。しかし、よく見たら、「裸族坊やセンちゃんデビュー10周年」。
まあ、それはさておき、センチェリーから発売されている USB3.1 Gen2の裸族のお立ち台は、これと、「裸族のお立ち台 スマート (CROSEU3S6G)」。自分は素直にイジェクトボタン付きを選んだ。
また、もう一つ気になったのは、「裸族のお立ち台 スマート (CROSEU3S6G)」の機器側 USB3.1 Gen2ポートが TYPE-Bであったこと。 別に、Type-Aだろうが、Type-Bであろうがケーブルの伝送速度が規格に合致していれば問題はない。ただし、Type-A ⇔ Type-Bで、USB3.1 Gen2規格を謳っているケーブルは一般に市販されておらず、例えば、もう少し距離を離したい時、あるいは短いケーブルに変えたいときにケーブルを探すのに苦労する可能性がある。
搭載するブリッジチップは、ASMediaの ASM235CM
内部基板に搭載されているブリッジチップは、ASMedia社の ASM235CM。
ASMediaの USB3.1 Gen2 to SATAコントローラのバリエーションは、ASM1351と ASM1351R そして、ASM235CMの 3種(2019年1月)。
ASM1351Rは、二つの SATAデバイスをサポートする。
ASM1351と ASM235CMは、接続する SATAデバイスは一つであり、その違いは、後者が Type-Cポートをサポートすること。
ASM235CMの仕様書には、「Compliant with Serial ATA Specification Revision 3.2」の記載がある。つまり このブリッジチップの SATA側は SATA Expressや M.2クラスの 10Gb/sの速度にも対応していることとなる。まさに次世代チップ。
と言うことで、USB3.1 Gen2と SATAⅢでは、帯域の違いで SATAⅢが速度的には足を引っ張るのだが、Serial ATA Revision 3.2に準拠するブリッジチップの処理性能にとっては、SATAⅢ接続でのデータ転送は速度的には余裕のはず。
SATAⅢの実効転送速度 4.8Gb/s (600MB/s)に迫る速度が期待できそう。
付属するケーブルは、USB3.1と明記されている。ドライブ側が Type-C、ホスト側が Type-A。また、Type-A/メス ⇒ Type-C/オスの小型変換アダプタが付属する。
ケーブルそのものは、適度な太さで、それでいてしなやか。取り回しは良好。
CrystalDiskMarkで転送速度をチェック
テストに用いた SSDは、Transcend社の TS128GSSD370S(128GB MLC)。
使用した CrystalDiskMarkのバーションは 6.02。
その他の環境として、
USB3.1 Gen1/Gen2接続は、ASUS社マザーボード PRIME B360-PLUSの背面 USB3.1(Gen1もしくは Gen2)コネクタを利用。
OSは Windows10 Pro。デバイスマネージャで、UASP(USB Attached SCSI Protocol)で動作していることを確認している。
マザーボードのSATA端子に接続したときのCrystalDiskMarkベンチマーク
基準となる数値は、マザーボードに備えられた SATA端子に SSDを接続し、CrystalDiskMarkに掛けた時のベンチマーク。
SATAⅢの実効転送速度 4.8Gb/s (600MB/s)に近い値が出ている。
マザーボードの USB3.1(GenⅡ)ポートに裸族のお立ち台を接続したときのベンチマーク
ブリッジチップを介している割には優秀な値。
マザーボードに備えられた SATA端子に接続した時とで、体感上はほぼ区別が付かないレベルに収まっている。
マザーボードの USB3.1(GenⅠ)ポートに裸族のお立ち台を接続したときのベンチマーク
sATAⅢの実効転送速度は 4.8Gb/s (600MB/s)。USB3.1(GenⅠ)の転送速度は4 Gb/s(500 MB/s)。したがって、USB3.1(GenⅠ)の転送速度上限の影響を強く受ける。
シーケンシャルテストの値が、丁度 20%減となっているのはその為か。
ブリッジチップの違いによる転送速度
こちらは、センチェリーの「裸族のお立ち台スマート CROSEU3S6G」をマザーボードの USB3.1(GenⅠ)ポートに接続した時のベンチマークテスト。環境・条件は同一である。
USB3.1 Gen1から eSATAⅢへの変換に、ブリッジコントローラとして JMicron社の JMS561が使われている。
USB3.1(GenⅠ)接続での転送速度で、ASMedia社の ASM225CMにえらく差を付けられてしまっているが、eSATAと USB3.1 Gen1のマルチインターフェースを持つ特殊性を鑑みれば、許して良い気がする。