HDD外付けクレードル裸族のお立ち台。USBとeSATAなど、インターフェースの違いによる速度比較

投稿者: | 2019/01/03

USB3.0とeSATAインターフェースを持つ裸族のお立ち台スマート CROSEU3S6G

センチュリー SATA HDD/SSD専用クレードル USB3.0 & eSATA接続 裸族のお立ち台 スマート CROSEU3S6G

秋葉原の PCショップに行けば必ず棚のどこかに陳列されているのがセンチェリーの裸族シリーズ。
特にクレードルタイプの裸族は、むき出しなのでケースタイプより冷えて、脱着もワンタッチ。見栄え以外ある意味理想的な HDD運用環境である。

今回購入したのは、USB3.0とeSATAの二つのインターフェースを持つセンチェリーの「裸族のお立ち台 スマート (CROSEU3S6G)」。
目的は、やたらと貯まっている昔使っていた 500GBクラスの HDD内のデータを、最近の大容量 HDDへ入れ替えて整理ること。

また、10年前から使っているセンチェリーの「裸族のお立ち台 eSATAプラス CROSEU2」が HDD容量 8TBまでしか対応しておらず、10TB以上の HDD使用に支障をきたすことも購入理由となった。

そんな訳で、まずは簡単に箱の中身をチェック。

センチュリー SATA HDD/SSD専用クレードル USB3.0 & eSATA接続 裸族のお立ち台 スマート CROSEU3S6G 内容

箱の中身はこちら。これ以外に取扱説明書が付属する。当然の事だが、あとは SDDなり HDDを準備すれば即使用可能である。

センチュリー SATA HDD/SSD専用クレードル USB3.0 & eSATA接続 裸族のお立ち台 スマート CROSEU3S6G 背面端子

背面には USB3.0とeSATAの二つのインターフェースが並ぶ。加えて電源端子も背面にある。
難点は電源スイッチも背面側にあること。誤操作防止に役立ちはするが、手を後ろに回さねばならず、やはり押しにくい。特に、手を手探りで背面に回した際、誤って USB接続ケーブルを抜いてしまう懸念がある。

また、小型化を目的としてか、従来機にあったドライブ取り出しボタンが無くなっている。引き抜く際にコネクタを痛める可能性があるので注意。

センチュリー SATA HDD/SSD専用クレードル USB3.0 & eSATA接続 裸族のお立ち台 スマート CROSEU3S6G 付属ケーブル

高級感があるとまでは言わないが、それなりのケーブルが付属する。USBケーブルは太く、それでいてしなやか。
一方、eSATAケーブルは、SATAⅢ(Serial ATA Revision 3.0)に対応するためか、極端に太く固い。eSATAケーブルの取り回しは困難を極める。

センチュリー SATA HDD/SSD専用クレードル USB3.0 & eSATA接続 裸族のお立ち台 スマート CROSEU3S6G ACアダプタ

ACアダプタは、12VDC 3Aで ACコンセントプラグ一体型。以前の裸族のお立ち台は、配線途中にアダプタが付くタイプ(12VDC 2.5A)であったが、最近ではコスト削減の為か、裸族シリーズに限らず、このタイプが増えている。

なお。2A未満の ACアダプタが付属する他社品があるが、HDDによっては起動に失敗する場合がある。3Aの ACアダプタが付属するのはある意味良心的とも言える。

無負荷状態でテスターを当ててコネクタ先端の出力電圧を測ってみると、12.1V。ちなみに、ATX電源の 12VDC出力電圧の許容範囲は±5%である。

DCプラグは、内径:φ2.1mm 外径:φ5.5mm。

CrystalDiskMarkで転送速度をチェック

PCケース内に組み込む SSDや HDDは、通常 Intelチップセット内(AMDは別)の SATAⅢコントローラに直接接続される。

一方、裸族シリーズのような外付けドライブの場合は、そのドライブケース内のブリッジチップ経由となる。さらに、eSATAでは、マザーボードのPCI-Eコネクタにインターフェースカードを取り付ける必要が生じ、そのインターフェースカードの SATAコントローラを経由する。

ちなみに、この裸族のお立ち台 CROSEU3S6Gには、USB3.0および eSATAⅢから SATAⅢへの変換用ブリッジコントローラとして JMicron社の JMS561が使われている。

いずれにしろ、ネイティブな接続に比べ、伝送速度低下は避けられない。

どの程度の速度低下があるのか、非常に興味があったので、CrystalDiskMarkを使って速度を比較してみた。
使用した CrystalDiskMarkのバーションは 6.02。

テストに用いた SSDは少々古く、Transcend社の TS128GSSD370S(128GB MLC)。SSDの最大速度ではなく速度差を確認するテストなので旧型でも支障はない。

その他の速度比較の環境として、
USB3.0接続:ASUS社マザーボード PRIME B360-PLUSの背面 USB3.1(GenⅠ側)コネクタを利用。
eSATA接続:同マザーボードに取り付けた AREA社 eSATAインターフェースカード SD-PESA3ES2L(ドライバは OS標準を使用、SATAコントローラは AsMedia社 ASM1061)を利用。
OSは Windows10 Pro

なお、Windows10のデバイスマネージャで、UASP(USB Attached SCSI Protocol)で動作していることを確認している。

マザーボードのSATA端子に接続したときのCrystalDiskMarkベンチマーク

CrystalDiskMark SSD マザーボードSATA接続時

基準となる数値として、マザーボードに備えられた SATA端子に SSDを接続し、CrystalDiskMarkに掛けてみた。今時の SSDに比べると控えめな速度であるが、まだまだ現役使用に耐えられそう。

この数値を元に、各インターフェースを介したときにどのくらい速度が低下するか見ていきたい。

eSATAインターフェースカードに直接SSDを接続したときのCrystalDiskMarkベンチマーク

CrystalDiskMark SSD eSATA直結時

マザーボードのPCI-Ex1にインターフェースカードを取り付け、その端子に直接 SSDを接続したベンチマークテスト。
マザーボードのSATAコネクタ直付けのネイティブな接続に対し、シーケンシャル速度で 27%ダウン。

いきなり大幅ダウンである。一方で、ランダムテストについてはほぼ低下は見られず、優秀。

約 400MB/secの転送速度は、PCI-Ex1 Gen2の帯域に引っ掛かっている可能性もある。

eSATAインターフェースカードを経由し裸族のお立ち台を接続したときのCrystalDiskMarkベンチマーク

CrystalDiskMark SSD センチュリー SATA HDD/SSD専用クレードル eSATA接続時

いよいよ裸属のお立ち台 CROSEU3S6Gを介してのテストである。まずは eSATAインターフェースカード経由で裸属のお立ち台 CROSEU3S6Gに接続したときのベンチマークテスト。

速度はさらに低下。シーケンシャルテストで、ネイティブ接続に対し、39%ダウン。ブリッジチップを介す毎に速度低下するのは致し方ない。

ランダムテストに於いては、速度低下が甚だしい。

マザーボードの USB3.1(GenⅠ)ポートに裸族のお立ち台を接続したときのベンチマーク

CrystalDiskMark SSD センチュリー SATA HDD/SSD専用クレードル USB3.0接続時

続いて、裸属のお立ち台 CROSEU3S6Gに USB3.0(USB3.1 GenⅠ)で接続したときのテスト。

ネイティブ接続に対し、56%ダウン。半分以下である。

7,200rpmの比較的速度が速いと言われる HDDだと、200MB/secを超えてくることから、HDD並の速度にまで低下したこととなる。

裸族のお立ち台 スマート (CROSEU3S6G)は、eSATA接続をメインで運用する人用

接続インターフェースの違いでかなり伝送速度が変わってくる。SSDがより一層高速化する中で、ここまで速度低下を招くとなると、使うのを躊躇いたくなる。

ただし、通常このタイプの外付けドライブ用クレードルは、HDDで運用するのが主であることから、速度低下を気にする必要は無いと言えなくもない。

また、ファームウェアやドライバーの出来、基板の設計によって安定性、延いては伝送速度が変わってくる。例えば、接続するマザーボードを変えてテストすれば、こことは違った結果になる可能性もある。

だがしかし、そうは言っても、速度低下が気になる。SSDもそれなりの速度で動作させたい。そんな意向があり、且つ USB主体で接続するのであれば、eSATAインターフェースを持たない専用機器を選ぶべきだと思う。USB3.1(GenⅡ)+UASPの組み合わせは、かなり速いと聞く。

USB3.xと eSATAの二つのインターフェイスを搭載した外付けクレードルは、選べる程の数が世に出ていないのが実情で、ベンチマークの結果を見た後であっても、自分の用途で最善の選択は、この「裸族のお立ち台 スマート (CROSEU3S6G)」となる。
何しろ、HDD対応容量を除き、10年前に販売されていた「裸族のお立ち台 eSATAプラス CROSEU2」で不満が無いのだから。






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