eSATAへの拘(こだわ)りは、柵(しがらみ)か信頼か
緑の基板は、ASMedia社の SATAコントローラー ASM1061を搭載した eSATA外部 2ポートインターフェースカード。赤い基板のほうは、SiliconImage社の Sil3132を搭載したインターフェースカード。
USB3.0、さらには USB3.1の普及により、ドライブの外部接続インンターフェースである eSATAはその役割を終えようとしている。いや、終えようとしているのではなく、元々が市民権を得ていたとは言い難い状況であった。
ただし、自分の PC環境に限れば、外付けドライブの接続と言えば今でも eSATAがメインで稼働している。この 2枚のインターフェースカードは今だ現役。
新規に外付けドライブを設けようと考えている人にとって、敢えて eSATAを選ぶ理由は見当たらない。選ぶ理由を掲げるならば、外付けドライブからブートしたい等、かなり特殊な用途となる。
自分が、eSATAを用いて外付けドライブを接続するのは、既にその環境が整ってしまっているから。そして、最も大きな理由は、長年使い続けてトラブルらしいトラブルに出会うことがなかったから。格納されたデータ保護の観点からすれば、5年以上ノントラブルであった実績は大きい。
唯一不満なところは、接続ケーブルが頼りない事であろうか。固く、抜けやすく、取り回しには苦労する。
内部SATAポート増設カードは生き残るも、eSATAは終焉か
PCケース内に多くのドライブを装着する際、マザーボードにある SATAコネクタが不足した時に用いるインターフェースカード。当然、コネクタはマザーボードのそれと同等の SATAである。
今では、HDD一台当たりの容量がとてつもなく大きな製品が存在し、PCケース内に多くの HDDを組み込む必要がなくなってきた。システム格納用の他、追加 1基で十分である。
一方、写真や動画の保存・編集に手を出してしまっうなど、特異なケースであるが、より多くの HDDをケース内部に組み込みたい場合がある。マザーボードに備えられているポートで不足する場合は、インターフェースカードを装着する必要が出てくる。代替(SAS HBAは除く)が無いため、ポート増設としての需要はある。まさか、ケース内部の HDDに対して USBで接続する人は居まい。
eSATAインターフェースカードが次から次への生産中止になる一方、内部 SATA増設インターフェースカードはしぶとくも生き残っている。
こちらが eSATAポート。
USB3.0の規格が公開され、普及が確実なものとなった時点から、それまで eSATAインターフェースで接続されていた機器はこぞってそちらに移行した。
eSATAインターフェースを持つ外付けデバイスは新製品など出ることはなく、減るばかりである。接続する機器がなくなれば、インターフェースの普及は望めず、存在する意味を持たなくなる。
つい最近、AREAの eSATAインターフェースカード SD-PESA3ES2Lの販売が終了した。一番上の写真の緑の基板のカードがそれだ。安価でとても安定していてお気に入りであった。
<2018年12月29日追記>
と思ってたら、後継機種 SD-PESAE3-2Lが引き続き販売開始されていることを確認しました。
<追記終り>
まだまだ行けるぜ!と思っているさ中、現役で使っている製品が生産中止になると、時代に乗り遅れてしまったのかと若干不安になる。ただ、今のまま、あと数年使い続けても、不満が出ない事はわかりきっている。晩年であることは間違いないが、隠居させるまでには至っていない。
それにしても、あらゆるインターフェースが USBバスに乗るように変換されていく。USB3.1など、知れば知る程使ってみたくなる。ブリッジチップ恐るべし。