バッテリー上がり常習者の必需品。自動車用バッテリーチャージャー GSユアサのMBC-6H

投稿者: | 2018/12/13

実はバッテリー上がりの常習犯

ここ数年、2年に一度のペースで車のバッテリーを交換している。原因は、ほとんどと言って良い程自動車に乗らない事。ここ数年の年間走行距離は 1,000kmほど。何しろ、夏に入れたガソリンが12月初旬の現時点でまだタンク内に残っているくらい……
当然、わずかずつだがバッテリーの充電量は減るばかりで、時間が経過するとエンジンをクランキング出来るだけの電力を供給出来なくなる。

バッテリーが上がって一番厄介な事は、いざ車で移動しようと乗り込んでセルスイッチを入れるもスターターが回らずエンジンが始動しないケース。出掛ける予定が狂うばかりか、バッテリー交換の出費がバカにならない。

つい先日、毎度の事ながらそのような事態に陥った。ただ、その時は、絶対に車を使用しなければならない。と言うような急迫した状況ではなく、別にバスや電車、あるいは自転車で移動することも可能だっため事なきを得た。

とは言え、干からびてしまったバッテリーはそのままでは復活することはなく、いずれは交換等が必要。どうしてやろうかと考えた末、今回はバッテリー充電器を購入するに至った。

とりあえず、ガソリンスタンドに駆け込むべく、重たいバッテリー担ぐ姿を不幸な目で見られることは避けられるはずである。

どうでも良いことだが、冬になると、バッテリー充電器の価格が上昇する……
2割3割はあたりまえなので、需要の少ない季節に買うのが良い。

一般家庭には必要充分以上の性能 GSユアサのバッテリーチャージャー MBC-6H

GSユアサのバッテリーチャージャー MBC-6H

バッテリー充電器は、過去に応急措置として使うことを目的に、格安品を購入したことがある。ただ、その格安品がかなり劣悪な品質だったらしく、セルスタータがほんのわずかに回る程度のバッテリーを復活させようと充電を試みたところ、逆に全くセルスタータが反応しないまでにバッテリーが劣化し痛い目に遭ったことがある。
と言うことで、今回は、信頼出来そうな GS・ユアサ製の充電器を購入。

充電器の原理

途中まで定電流充電で充電し、指定の電圧に達した後に定電圧に保ち、電流値を絞りつつ充電する方式。自動車用バッテリー充電器に限らず、スマホの充電器にも使われる方式。

自動車用バッテリー充電:定電圧定電流充電方式

バッテリーを復活させるための充電なのに、逆に過充電でバッテリーを再起不能にしてしまう。粗悪な充電器にはそのような悪魔のような製品もある。

-充電時の注意事項-開放型バッテリーは、キャップを緩め通気させる

バッテリー充電中は液口栓(キャップ)を緩めて開放する

充電の際に忘れがちなのが、バッテリキャップの開放。さらに忘れがちなのが充電終了後のキャップの閉鎖。

GS・ユアサ製バッテリー充電器MBC-6Hの諸元

GSユアサのバッテリーチャージャーMBC-6H 操作パネル

充電器本体の基本的な操作は、ワンタッチである。自分のバッテリーの場合、ケーブルを接続し、電源を入れた後に操作するボタン操作回数は 2回のみであった。取扱説明書を無くしたとしても、本体に操作方法が記載されているので安心である。

そんな訳で、出番は多くはないが、バッテリー上がりを起こした際に、取り外してガソリンスタンドへ持ち込む必要もなくなり、さらには、バッテリー買い換え回数も減らすことも出来る。バッテリー上がり常習犯の自分にとっては、持っているだけでも安心。

このバッテリーチャージャーが使いやすいと感じたのは、操作が簡単な事の他、ケーブル類が本体に収納出来ること。
滅多に使わない機器なので、一年のほとんどの期間、いずこかの保管場所に置くこととなる。省スペース且つ付属品を紛失せずに済むのはとても助かっている。

MBC-6Hの諸元(2019/04/10現在)
定格と仕様/型式 MBC-6H
交流入力(50/60Hz) 電圧±10% 単相100V
電流(約) 1.6A
直流出力 電圧 12V(IS以外)
16.3V(IS)
電流 6A(自動車)2A(バイク)
適合バッテリー 容量 21〜72Ah(5時間率)
(自動車用 VRLA形/開放形)
4〜20Ah(10時間率)
(バイク用 VRLA形/開放形)
電圧 12V
個数 1
外形寸法(mm) 直径×高さ φ256×91
質量(kg) 1.3
コード長(m) 電源用 1.8
充電用 1.6
保護機能等 逆接続保護
出力短絡保護
出力過電圧保護
過電流保護
温度過昇保護(充電器内部)
IC制御オートタイマー付
ブースト機能
(エンジン始動補助)
電流 最大20A
(ブースト機能は12V自動車用
開放形鉛バッテリーのみ対応可能

自動車バッテリーの基礎知識

充電ではなく、いずれ載せ替える時の事も踏まえ、バッテリーの基礎について、自分用メモを残しておく。

バッテリーを載せ替える時の注意点は、現在使っているバッテリー形式と同じ形式の製品を選ぶ事。形式に記されている記号は、性能やサイズに関わる意味のあるもので、一般的に載せ替える際は同じ形式の製品を選ぶ。

ただし、標準バッテリーから寒冷地仕様のバッテリーへ載せ替えたい場合もあり、その際気を付けなければならない事は、少なくともサイズとターミナル位置が同じタイプを選定する事。

自動車用バッテリーの型式

ところで、自動車用バッテリーには様々な種類があって、通常はその形式が上面に表示されてる。自分が載せているバッテリーには次のような記載があった。

80B24R

80と言う最初の数字は性能ランクと呼ばれ、バッテリーの総合性能を表す数字。サイズが同じであれば、数字が大きい程高性能。
JIS D5301 始動用鉛蓄電池(2006年度版)で定義され、低温時のエンジン始動性能を示すコールドクランキング電流「CCA」と、バッテリー容量の目安を示すリザーブキャパシティ「RC」から次の式で求められた値。


\[
性能ランク=\frac{\sqrt{CCA(A)×RC(分)}}{2.8}
\]

性能の指標 単位 概要
コールドクランキング電流「CCA」 A -18℃において30秒目の電圧が7.2Vになるような電流
リザーブキャパシティ「RC」 25Aで10.5Vまで放電できる時間
5時間率(5HR)容量 Ah 容量の1/5で放電し、10.5Vまで放電できる時間と電流の積

Bと言う記号はバッテリーの短側面のサイズを表すもの。
現在の日本の乗用車では、«B»もしくは «D»が主に使用されている。載せ替えの場合、一致させないと搭載不可となる場合がある。

記号 幅(㎜) 高さ(㎜) 端子形状
A 127 162 ボルトナット式
B 129(127) 203 テーバ式(細端子)
C 135 207
D 173 204 テーバ式(太端子)
E 176 213
F 182
G 222
H 278 220

24と言う数値は長側面の長さを表すもの。単位は ㎝。こちらも、載せ替えの場合、一致させないと搭載不可の可能性がある。

Rと言う記号は L・R・記号なしの3種類があり、端子の位置を示す。
バッテリーのプラス側短側面からみて
+端子が左側にあるとき ⇒ Lタイプ
+端子が右側にあるとき ⇒ Rタイプ
載せ替え時に一致させないと、ケーブルが届かず搭載不可の可能性がある。

バッテリーを交換するときの注意

バッテリーを交換する際、いくつか注意しなければならない事がある。

一つは、同じサイズのバッテリーを選ぶ事。あたりまえの事だが、これが異なると換装不能に陥る。
標準サイズより小型なら……でも、性能ランクが同じであれば載せられるのでは?と考えてしまいそうだが、それは間違いである。

例えば、55B24R(L)と 55D23R(L)では後者のほうが圧倒的にサイズは大きい。しかしながら総合性能を示す 55と言う数値は同じ。なので、標準で 55D23Rを載せている自動車には性能ランクが同じでより小型のバッテリー 55B24Rに交換しても問題無いように思える。
ところが、性能ランクは先の数式のように、始動性能とバッテリー容量の目安の積から算出されるもの。一般的に、バッテリー容量はバッテリーサイズに比例するので、55B24R(L)は、55D23R(L)に比較し始動性能は兎も角、バッテリー容量はかなり小さくなってしまう。
安易に小型のバッテリーに交換することは出来ないのである。

標準バッテリーからより性能の高いバッテリーに交換する時、まずはその目的を明確にしよう。
寒冷地で始動性能をより高めたいときは、コールドクランキング電流「CCA」を。電装品を増やした時にはリザーブキャパシティ「RC」を重視し、バッテリーを選定しよう。

様々なメーカーから様々なラインナップのバッテリーが商品化されているが、同じ性能ランクであっても、コールドクランキング電流「CCA」とリザーブキャパシティ「RC」の重視の仕方が異なる。コールドクランキング電流「CCA」やリザーブキャパシティ「RC」はカタログに明記されていることもあるし、バッテリー本体に書かれている場合もある。





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