ビデオ雲台とズームリングの隙間が狭くて操作できない
一眼カメラを雲台に乗せて動画を撮るとき、致命的に困る事がある。三脚座の無いレンズを装着した際、フォーカスリングやズームリングの操作がしにくくなるのだ。
スイッチ一つで自由自在なズームが行える動画用カメラと比べると、やはり使い勝手は悪い。
どんな状態かと言うと、ご覧の写真のような状態である。こちらはマンフロットのビデオ雲台
MVH500AHにキヤノン EF24-70mm F2.8L II USMを取り付けたカメラの装着状態。
雲台の幅が広くて、レンズの下から手を這わせて操作出来なくなる。
上から手を被せるように操作する方法もあるが、リングストロークがやたらと長いレンズの場合、端から端まで回すのに手を持ち替えなければならない。
世の中には便利なモノが溢れていて、こんな問題を解決してくれる装置がある。フォローフォーカスシステムがそれ。ただ、本格的なフォローフォカスシステムだと、価格にして数十万円。流石にリング操作がしづらいからと言って、おいそれとは手が出せる金額ではない。
そして見つけ出したのが千円台で購入出来るこれ。
ハンドルと三日月形のベルトが一体型のプラスチック製でマジックテープでフォーカスあるいはズームリングに巻き付けるタイプ。幅広の半月形ベルトの内側には、櫛歯状の突起があり、リングとの接触部分の滑りを防止するよう工夫されている。
レンズのフォーカスあるいはズームリングの径は様々であるが、別にこの半月形のベルトの曲率と一致せずとも使用できる。基本的にマジックテープの締め付けで空回りを防止している。
マジックテープは、三日月形のリング外側の幅広の溝に接着されている。ちなみに、水に濡らすと剥がれる……
マジックテープの内側は、それなりに滑りにくい材質が使われているが、リングの操作トルクが重たいレンズの場合は、別途滑り止め対策が必要。
ただ、対策はそれほど難しくない。
小・中型のレンズであれば、折径 40mmのやや幅広の輪ゴム(折径 60mm切巾 6mm厚み 1mmの 2本掛け、もしくは、折径 80mm切巾 6mm厚み 1mm 2重掛けが良い )で可能である。
輪ゴムは滑り止めとしてフォーカスリングやズームリングに先に巻いてからこのレバーを被せても良いし、いっそマジックテープを取り払ってしまって、外側から輪ゴムだけで固定しても良い。
フォーカスリングにもズームリングにも装着出来る
大抵のレンズは、フォーカスリングとズームリング共に装着できるはず。
ただし、本格的なフォローフォカスシステムが減速ギアを介してリングを操作するのに対し、こちらはほぼダイレクトである。そのため、繊細なフォーカス調整は難しい。
そして、懸案事項であった、ズームリング側に取り付けてみた。
なお、このレンズは滑り止め対策などせずとも使用可能であった。
ズームリングに用いる利点としては、テレ端からワイド端までの幅広いズーム操作をする際は指一本で回すことがででき、カメラの揺れが少なく、且つ一定速度の動作が可能であることだろうか。
ちなみに、本体はプラスチック製なので、破損は覚悟しなければならない。そのまま鞄に入れるのは不安なので、自分は製品梱包箱にガムテープをグルグル巻きにし、補強した上で収納箱として使っている。
操作のために指が入る隙間を作るのだけが目的なら、クイックシューを活用したほうが楽
フォーカスやズームリングを操作することだけが目的なら、クイックシューや 10mm程度のスペーサーを介してカメラを取り付け、隙間を作ってあげるほうが楽である。特に、ボディ本体がコンパクトなミラーレス一眼カメラに極太のレンズを取り付ける場合は、レンズの鏡筒と雲台が接触する可能性があるので必須となる。
ただし、隙間を拡げてカメラを装着した場合であっても、ズーム操作中も撮影され続けている動画の場合、指で直接ズームリングを回すより、レバーを用いた方が圧倒的にブレは少なくなる。
小物の癖に意外と役に立ってくれている。