日立工機 刃径190mmの卓上スライド丸のこ C7RSHC
DIYをする上で、代替出来るより安価な道具があるこのスライドマルノコは、贅沢工具の部類になると思っている。大きな切っ掛けがない限り、購入に踏み切ろうとはまず思わない道具。自分の場合は、ウッドデッキの張り替え作業がその切っ掛けとなった。今考えても、それは正解だと思っている。一番の壁は女房殿への説得だったが、業者に頼むと数十万円掛かることを理由に許可をもらった、、。
ただ、精密な切断が出来る一方で、それを維持するための定期的な調整が必要で、今回はその調整のお話。自分用メモも兼ねている
このスライド丸のこは、断面が 61mm×312mm(ファンスに 25mmの当てて板を装着すれば、70mm×265mm)のサイズの木材がより安全に効率よく切断できるものである。
この「より安全に」がとても大事なことで、最も危険な電動工具の一つである丸のこを使用しなくて済むのだ。
ちなみに、右上から下に向かってついているヌコの足跡は、遠い昔このガレージのコンクリーを打った際、乾かないうちにヌコの侵入を許してしまったがための残痕。
実は刃口板は重要部品なのであった
先程、「より安全に」と書いたが、誤った使い方をすれば、やはり回転歯を持つ電動工具なため、危険度は一気に増す。
写真は、破損した刃口。短い材料を、中途半端なクランプ位置で固定し、切断している最中に材料が移動。材料がのこ歯に噛み込み宙に舞ったときの衝撃によるもの。
刃口板はスライド丸のこにとってとても重要な部品で、この出来具合で切断時のバリやケバの発生具合が変わる。元々が消耗品で、切断を繰り返すうちに広がっていく。
っと、注文していた刃口板が忘れた頃である本日到着したため、早速交換することにした。
刃口板交換ついでに調整。使う道具は直角定規とスコヤ
刃口板が割れた衝撃によるものなのか、あるいは経年によるものなのか。いずれにせよフェンス位置に狂いが生じていた。フェンス角度が狂っていると、直角に切断出来なくなる。正確に直角に切断出来ることがスライド丸のこを使うメリット。ファンス位置は最も重要な調整箇所である。
使用する道具は、長片長さ 300mm 底面長さ 200mm 厚さ 6mm 幅 30mmの平形直角定規と 150mmのスコヤ。平形直角定規はたまたま手元にあったものなので、これではなく、大きめの三角定規や曲尺でも良い。
ただし、一般的な定規の直角精度は 100mmにつき 0.1mm近くあるものと思って良い。例えば、それを基準に調整されたこのスライド丸のこで 300mm巾の材料を切断した場合、手前と奥とで 0.3mmの寸法の狂いが生じる可能性があることを意味する。出来るだけ JIS2級以上の精度を持つ平形直角定規で調整することをお勧めする。
直角定規を駆使して調整
ご覧の通り、このスライド丸のこの調整には、長片の全長 300mm 底面の全長 200mmの平形直角定規が丁度良いサイズ。
直角定規を刃口と平行に設置して角度調整
直角定規の当て方は、ノコ歯を下げてノコ歯に当てる方法が一般的だが、今回は、別の方である刃口を利用することにした。
刃口に切り込みと直角定規の底面の辺とが面一となるよう定規を手で固定する。
フェンス固定ボルト
フェンス、左右それぞれ 2本のボルトで固定されている。ボルト周囲が狭いので、スパナは使用出来ない。13mmのメガネレンチかボックスレンチを用いる。
刃口と面一となるよう直角定規を当てつつ、角度メモリのゼロライン上を通過させるようフェンスを固定し、レンチでボルトを緩めたり締めたりと、かなり気を使う作業である。そして、ここが最大の難関であり、最も重視すべき調整箇所でもある。ここで手を抜くと、最後の確認作業で角度が狂っていたことがわかると、ここからやり直しとなる、、
向かって左側フェンスは、右側フェンスに合わせて調整
向かって左側フェンスの位置調整が済むと、次は右側フェンス位置の調整となる。刃口板を跨ぎ、左側フェンスと一直線上となるよう定規を当て、左側フェンス側と同様に 2本のボルトで固定する。
一直線上にフェンスが位置したことを確認後、角度調整メモリのゼロラインをフェンスが通過しているか確認する。ずれていたら、左側フェンスの調整不足である。その場合、左側フェンスの調整からやり直すこととなる。なかなかに根気のいる作業である。
チップソー傾斜角度の調整
手持ちの平形直角定規は 6mmと厚めなので、隙間の確認が難しい。なので、ここでは通常の 150mmのスコヤを使用した。
隙間にシクネスゲージを差し込んで~~~。などと言う野暮なことはやらない。ここは目視で隙間から漏れる光の帯巾で確認。
傾斜角度の調整ボルトにはネジロック剤が使われている
ボルトの根本に青い接着剤のようなものが見える。これはねじゆるみ止め接着剤。ロックタイトと思われるが、青なので、多分ねじロック243。これが赤い色だとかなり焦ることになる。何しろ半永久的を目標としたネジロック剤なのだから。
振動が加わる箇所に使われるネジのゆるみ防止には、このようなネジロック剤がとても有効である。
今回、スコヤを当ててチェックしたところ、調整不要との結論に至ったため、特に回す必要は無かった。もしも、調整が必要だと感じた際は、ネジロック剤を準備するべし。
実際に切断してみる
調整が終了した後は、やはり実際に切断し確認することが大切。いざ本番で使ってみたら、直角に切断できなかった・・・などと言うことが無いよう。
直角定規で直角を確認。そして刃口板を交換
確認作業はもちろん直角定規でおこなう。縦と横の隣接する 2辺をスライド丸のこで切断し、直角定規を当てて、それぞれの辺と定規の隙間を観察する。
各辺とも隙間が無ければ調整終了。
隙間があった場合は、最初の左側フェンスの調整からやり直しとなる……てか、やり直した……
なお、新しく交換する刃口板は、この確認作業が終了した後に交換する。刃口板の取り付け方法は、取扱説明書に記載されているので割愛。
本来なら、45度で切断した際の角度確認が必要
以上で直角はの調整は完了したものの、本来は、45度で切断した際の角度確認が必要となる。残念ながら、45度の大型角度付定規は所有していないので行えない。何せ、本格的な角度付定規の値段ったら、、。滅多に使う機会がないのに、そこまでの投資は不可。
スライド丸鋸の直角が出ていなくて、切断面が、斜めになっていましたが、調整方法が、理解できましたので早速調整してみようかとおもいました。
非常に参考になりました。