クリスペルカーフはなぜこんなにも輝くのか
正直言って、写真撮影がものすごく難しい皮革。この皮革の魅力を伝えようと一生懸命、何枚も何枚も撮ったけど、ダメだった。諦めて、妥協して選んだのがこの 2枚、、
クリスペルカーフはクロム鞣で、型押しである。タンニン鞣と異なり、最初からツヤがある。また、シボがあるにも関わらず、表面全体に綺麗なツヤが出ている。そのツヤはシボ付きとは思えないほどに。店舗で見たとき、「何だこのクリーム塗りまくりのキーケースは!」と思ったほどのツヤ。店の人に聞いたら、はじめからこのツヤだと言う。
不思議に思い、この謎に迫ってみることにした。
通常シボ付きの皮革は、表面の凹凸のうち、凸部分にツヤが集中する。そうしたシボ付きの皮革は、ツヤも斑である。クリスペルカーフのツヤの謎の答えはここにあった。
虫眼鏡で拡大して観察してみた。凹凸の凹の部分にもツヤが出ているのだ。この皮革を手に取る機会があったら、是非とも色々な角度から見て欲しい。
写真は、水シボと言われるラインがわかりやすいように、若干控えめな反射光位置から撮影。
水シボは短辺方向と長辺方向どちらが良いか
このキーケースはアスペクト比を持つ。要は形が長方形。WILDSWANS(ワイルドスワンズ)のクリスペルカーフを使った小物は、水シボが短辺と平行になるように縫製されている。
最初、この水シボの方向に違和感があったのだが、短辺方向に水シボがあるために、この折り曲げ部分にも水シボ特有の均一なツヤが出てくれている。慣れてくると、これも有りではなかろうかと思えてくる。
クリスペルカーフの欠点は、水シボのラインと直角方向のキズがものすごく目立つ事。クロム鞣であるため、エイジングによる変化も大きくはないため、キズは後生まで残る可能性が高い。この水シボの美しさに惹かれ、もう少し大型の財布を購入しようと考えたが、目立つキズを恐れ躊躇してしまった。雑に扱う自分には、この程度の小型のアイテムが相応しい。
ちなみにこの CLIPPER II(クリッパー2)は購入後 1年程度経っている。去年の秋に押入に仕舞っていた鞄を取り出したら中から出てきた、、(汗
スピードパスプラスでお財布代わりにもなる
そして、半年ぶりに再会したこのキーケースに収納するのは、こちら。
ちょっと変わったアイテムとして、スピードパスプラスを収納。QUICPay(クイックペイ)と nanacoの機能が付いた便利なキーホルダー。コンビニから牛丼のすき屋、ヨドバシカメラからガソリンスタンドまで、守備範囲は広く楽チン決済。財布代わりにもなってます。
2018年9月15日追記
WILDSWANS(ワイルドスワンズ)の直営店 C.O.U.のサイト内ブログに「定番素材に関する重要なお知らせです」と題してこんな告知が出ていた。
……近年皮革の流通が不安定な状況が続いており、入荷の遅れや生産量の縮小といった話題を皮革産業界で数多く耳にするようになって参りました。……(中略)……
WILDSWANSが扱う素材にもその影響は及んでおり、今回、定番素材として使用しております皮革の中で、クリスペルカーフとスフマートの2種の安定的確保が困難になっているという状況を受け、これらの皮革を使用したアイテムの製造を休止とさせて頂くことになりました。……(中略)……
【クリスペルカーフ】
本日(8月27日)より新規のご予約を休止とさせて頂きます。
現在在庫のあるものは販売可能ですが、定番モデル・パターンオーダーを含む全てのクリスペルカーフのアイテムに関し、今後の製作の予定はございません。
こりゃまいった…………