体験者と経験者の違い
- ボール盤が使えないような場所に穴をあける
- ボール盤を使用するほど精度を必要としない
- ボール盤を準備するのが面倒くさい(ココ注目)
僕の場合、上に挙げた中で 3番目の理由で電動ドリルを使って穴あけにチャレンジしてしまうことが多々あった。そんな時、大抵斜めに穴があいてしまったり、穴位置がづれてしまったりと、「ああ、ボール盤を使っておけば良かった」と後悔しまくるわけで……
起こってしまった失敗に対し、頭の中で一生懸命整理しようともがく先には、決まって「これも経験」との結論付け。
経験を生かし次に結びつけて昇華した者が「経験者」。コレ偉い人。僕はいたって凡人である為、相変わらずその経験は利用されず、ただの「体験」に終わる。
さて、今回、ボール盤が使えない。且つ如何しても手を抜けない穴あけ加工が必要となった。そこで前々から気になっていた穴あけサポートツール、神沢鉄工製 ドリルガイド K-801 を購入。
まあ、経験を生かしたと言うより、この場合は金の力と表現した方がシックリくるとのツッコミがある気がしないでもない。
ただ、この機器を作った人は紛れもなく経験者に違いない。
AVラックの廃熱をどうするか
今回製作しようとしているものはAVラック。
AVラックは天板の上にTV(場合によってはスピーカーも)を置き、天板下の収納棚にアンプやら、プレーヤーやらを入れ置く棚。普通の棚と違うのは、棚に収納する機器が熱を発すること。つまり、排熱が必要なのだ。
最初は、アンプの背面についてるオプション機器用の 5V端子を使って 12cmファンでも回してやろうかと考えてみた。AVアンプの電源とも連動するし悪い考えではない。が、しかし、映像と音を楽しむシステムに、わずかとは言え音を発する機器を装着するのはやはり気が引ける。ここは、自然排熱にすることにした。
どんな構造かと言うと、機器の上側に位置する天板に大量の通風穴をあけるだけ……
ドリルガイドの使い勝手
写真はラックの天板に使う15mm厚の板を 2枚張り合わせたタモ集成材に穴をあけているところ。
穴をあけている真下にAVアンプが設置される。ボール盤を使ってあけられなくもない穴ではあるが、とにかくワークが重たい。ボール盤のテーブルに置こうものなら不安定極まりない。
「神沢鉄工製 ドリルガイド K-801」の出番である。
御覧のように、バリもなく真円の垂直穴をいとも簡単にあけることが出来てしまう。もっとオモチャっぽい品質かと思いきや、かなり堅牢。
使う上で注意したい点は、ベースプレートはなるべくクランプ等で固定すること。手でベースを押さえるには、刃物であるキリが近すぎる。加工中にキリが加工物に噛みこんで、折れて飛び散りでもしたら怪我すること間違いなし。
ドリルガイド取り付ける電気ドリル
ドリルガイド K-801と接続する電動ドリルは、横幅 85mm以下のもの。
写真は日立工機製の 変速ドリル D10VH。この程度の大きさが丁度良い。
電動ドリルのチャックの下のスピンドル軸受と、ガイドレールとガイドユニットの間に若干のガタはあるものの、ワークにキリを当て、穴あけがはじまればブレはそれほど大きくない。何より電動ドリル単体であける場合とは比較にならないほど精度良く穴あけが出来る。
ところで、しばらく使わずに放置していたら、ガイド棒とチャックにやたらと錆びが発生した。
木工に使用するので油脂類は塗りたくないし。なので、KURE ラストリムーバーに付けてみたところ色は変わるが、なんとか綺麗に錆びを落とせた。処理した後は錆の発生を防止してくれるので一応お勧めしておく。