自部屋にナベヤの定盤がやってきた
定盤代わりに使っていた厚さ 5㎜のガラス板が割れてしまった。
別に商売として何かを作っているわけではなく、あくまで趣味の範中。
自営業ではなく、サラリーマン。何かするにしても平日であれば夜中。あるいは休日。
特に夜中は貴重な時間で、コソコソと音を立てずに行える事は限られている。そんな作業の中の一つが定盤の上で行う作業。
自部屋の窓際の、400㎜ x 1000㎜のベンチシートが作業台。部屋の中で切削や切断をするわけではなく、ここでは主にケガキや採寸作業が中心となる。
定盤が無いと非常に困るのだ。とりあえずガラスは割れると酷い目に会うので却下。
購入したのは、ナベヤ(NABEYA)の箱型定盤CP02530Mで、サイズは 250㎜ x 300㎜。
鋳物メーカー ナベヤ(NABEYA)の箱型定盤CP02530M
産業機械において、鋳物は外注先からの購入が一般的。ナベヤは自ら鋳物を造り、最終製品にまで仕上げる数少ないメーカー。
寺院のつりがねである梵鐘を作っているメーカーでもある。たとえば東京柴又帝釈天の題経寺の鐘は、このナベヤ製。ナベヤ製品を使っていれば、きっとご利益・ご利生があるはず。
そんな訳で、鋳物を素材とする製品を購入する際は、悩みに悩んだ挙句ナベヤに至ってしまう。一応、他社品も検討するのだが、やはりナベヤにたどり着く。ご利益大事。
こちらの写真は、定盤の裏面。素のままの鋳肌に逞しさを感じる。
個人ユースには、機械仕上で充分
定盤の作業平面の仕上状態。工作機械の引き目を見るに、いったいどれだけ大きな径のカッターボディを使っているのやら……
定盤と言えば、キサゲ仕上。JIS2級以上の定盤では人の手によるキサゲ加工が施される。
ナベヤの資料によれば、機械仕上の場合、 600㎜ x 600㎜の平面度は、66㎛。この定盤のサイズは、250㎜ x 300㎜と小さく、その為カタログデータ上では、41㎛(0.041㎜)となっている。
ちなみに JIS0級は、600㎜ x 600㎜の平面度が 5㎛……
キサゲ仕上の定盤がほしくないと言えば嘘になる。ただ、実際のところ JIS2級以上の定盤を使いこなすには、適切な設置環境と、それなりの精度を持つ測定器具や治具が必要で、それらは個人で入手するにはあまりにも高価すぎる。
と言うわけで、これで充分。
定盤の側面を塗装したい
ナベヤの定盤は、六面機械仕上されていて、作業平面が機械仕上のタイプは側面も含め無塗装である。
錆の発生の低減を考えると、塗装したくなるのは自分だけではないはず。
定盤のメンテナンス
鋳鉄製の定盤は作業平面に錆を発生させないこと。常に油膜で保護してあげること。
自分は、ワコーズ(WAKO’S)MTL多目的防性・潤滑スプレー A334を使っている。質感としてはスプレーグリスに近い。
それでいて塗布した後、布で伸ばしやすい。低粘度ではないにも関わらず、べとつき感は少ない。塗布面に化学的な被膜を作るものではないので安心である。
霧状ではなく、水鉄砲のように吐出するので、周りに液体をまき散らすことがない。そのため自分は室内で使用している。