さつまいもは暖めると甘くなる。それに甘い蜜を絡めたらどうなるか
秋葉原から御徒町方面へと向かう散歩途中に、以前から気になっていた店がある。«さつまいも菓子専門店 おいもやさん興伸»
1876年(明治9)からさつまいも一筋にやってきた会社の店舗の一つで、そ名の通りさつまいものお菓子屋さん。
ところで、さつまいもの英語名はスイートポテト。日本でスイートモテトと言えば一般的には洋菓子を思い浮かべるのだが、実はこのスイートポテトなる洋菓子はは日本で生まれたものだ。日本で生まれたのであれば、和菓子では?と考えなくもないが、原材料にバター、クリームなどの油脂が使われるお菓子は洋菓子に分類されることとなる。
それは兎も角、スイートと名が付くポテトだけあって、元々のさつまいもは甘味があり、適度な温度で暖めるとさらに甘味が増す。
さつまいもを素揚げし甘味を増した上、表面をさらに甘い蜜でくるんだ食べ物がこの大学芋。
ヒートランプで保温中な為か、写真にすると色がらしくない。
購入したのは、この «みやび»
写真の左側の小さな袋に詰めが 300グラム。
俺「スミマセン。この袋に入っているヤツをくださいな。」
お店の人「お持ち帰りですか?」
俺「……」一瞬「えっ!?」と思ったのだが、どうやら、結構な量だと思われるコレをそのままの状態で手にし、歩き食いする人が少なからずいるようだ。
ついさきほど遅めの昼御飯を食べ、且つ別腹にもたんまりと詰め込んできたばかりであったので、流石に無理。なので、持ち帰りでお願いした。
そのまま袋詰めされ即手渡されると思い待つこと数秒。直後、予想だにしなかった壮大な儀式がはじまった。某所で、オレンジジュースがテーブルに運ばれてきた際に唱えられる呪文「美味しくなぁ~~れ…」どころの話ではない。無詠唱で、とにかくそれは行われた。
花瓶のようなガラスピッチャーで、口の開いた袋に向けて蜜がドボドボと注がれる。それも半端無く大量に。
「ぉぃぉいぉぃおいおい~~っ!」なぜに惜しげもなくそのように大量に掛ける?
圧巻であった。某所で、メロンソーダがテーブルに運ばれてきた際のイベントどころの騒ぎ(ry
これを見た時点で、この大学芋に対する期待度はマックスに達した。家伝の蜜である。
いつもなら、のんびりとアメ横を通り抜け、適当な買い物を済ませてから家路に着くのだが、その日は一切の寄り道することなく、最寄の御徒町駅から真っ直ぐに家を目指すこととなったのは言うまでもない。
2021-10-21追記
寒くなってきて、久々に食べたいなと思って向かったら、何と移転!
半端無く掛けられた甘い蜜の味と、サクッとした表皮の食感が絶品
家に持ち帰り、早速お皿の上に。10個入っていた。一人で食べるには多すぎで、二人分と言うところだろうか。お皿の底に大量に注がれた蜜が貯まっている。
袋の上からはやや暖かみを感じるものの、実際に袋を開けてみると、あれだけサラサラだった蜜が粘性のある水飴状になっていた。公式サイトに次のような記載を見つけた。
※電子レンジであたためる場合、あたため過ぎにご注意ください。ミツは電子レンジであたためないでください。
とりあえず、今回は、アツアツのホクホクに温め直すことなく、そのままいただくことにする。
テカテカと光り、何やら嬉しそうなサツマイモ。
蜜を大量に掛けられるシーンを思わず思い浮かべ、こちらも出会えて嬉しいと心から思ったりしてみたり。
大量に掛けられた蜜は、表面のごま粒が沈み込む程の厚さ。ちなみにこのゴマは、店舗で手渡される直前の、蜜が塗された後に振り掛けられる。
蜜の内側のサツマイモ本体はと言えば、素揚げされた外側はサクッとしていて、且つ蜜を大量に吸い込んでいるため甘々。また、そのサクッとした外側の殻はかなり厚く、食感にも感動。
中身は……言わずもがな。
良い素材を使った石焼き芋はさつまいもの自然な甘さを味わうことが出来る。
この大学芋も砂糖の甘さなどではなく、確かにさつまいもの味が感じられる甘さであった。
食すなら購入日当日。最善は買った直後からの歩き食い
公式サイトには «消費期限 販売日を含めて3日» と記載されていた。ので、購入当日は全部を食す事無く、2個程残しておいた。
そして、翌日の朝、見てびっくり。ラップで閉じていたにも関わらず、絡められていたはずの表面の蜜のほとんどが皿の底に落ちていた。本体はと言うと、見た目もツルツルテカテカではなくサラサラに変化していた。
口に入れてみたが、昨日味わえた表皮のカリッとした歯ごたえは一切無くフカフカに。味は同じなれど、おいしさは……半減どころか1/10位。
今まで食した大学芋は、冷めたとしても、蜜は表面に留まっていたものだが、これはそうではないらしい。
出来たてを店で購入し、そのまま買い食いしたくなる気持ちがここで初めて理解出来た。一番量が少ない 200グラムなら一人でも食べ切れそうである。と言うか、次回通りかかったときはそうする。もちろん買い食い。