ショートノズルサイズの携行用ブロアー
カメラのクリーニング・メンテナンス用に最低一つは持っておきたい道具。
写真はショートノズルサイズで、青/黒がハクバのハイパワーブロアープロ。赤がエツミのキューティーブロアー。ノズルが短いので、エアの吹き付け方向のブレが少なく、携行に便利なサイズ。
時々 PC用キーボードの掃除にも使ったりもする。その他、あらゆる狭い隙間の埃落としにも使える。多用途である。メーカーによってはブロワーの名称で取り扱われているこのブロアー。買い換えのついでに簡単にレビュー。
ノズルの形状はストレートが使いやすい
エツミは透明のPVCで柔軟性がある。
一方、ハクバは樹脂製で、硬い。誤ってレンズやフィルターのガラス面に接触させた場合、何らかのダメージを与えそうである。
エツミのブロアーの紹介文に、「吹きつけやすいペンギンノズル」と記載されているが、はっきり言って、こちらはストレートのほうが使いやすい。目標に向かってエアを吹きかける際に、このペンギンノズルがあらぬ方向に向いていると空振ってしまう。仕方なく、向きを修正するために手の平の中でクルクルと回す。少々手間が掛かる。
同じような製品が世の中に氾濫してくると、メーカーは差別化を図るため、なんらかの特徴が欲しくなる。多分、このノズルはそんなうたい文句を載せたいがために考案された、有用でもない特徴。
空気取り入れ口の吸入抵抗がハクバは大きい
シリコンゴムは非常に静電気を帯びやすい材質で、静電気を帯びたシリコンゴムは空気中の埃を吸い寄せ、ゴム表面がいつの間にか埃で真っ白になってしまう。何しろ、その性質を利用してホコリを取るシリコンブラシなる商品が出ているくらいなのだ。
さらに言えば、シリコンゴムの表面はホコリだけではなく実は手垢も付きやすい。そのため、定期的に洗剤で洗って汚れを落とす必要がある。ゴム臭がしないと言う優れた特徴があるシリコンゴムだが、実はこうしたマイナス要素もある。カメラのメンテナンス用のアイテムでありながら、そのアイテムのメンテナンスが必要になるとは、おかしな話である。
この埃の付着を嫌って天然ゴム製のブロアを好んで使う人もいる。それも一つの正しい選択方法だと思う。次回、購入する機会があるならば、今回の二つの商品ではなく、天然ゴム製を選ぶかもしれない。
写真は、後端の空気取り入れ口。どちらの製品もノズル先端を指で塞ぎポンプを強く握っても、逆至弁が有効に働き、取り入れ口からの排気は認められなかった。
ハクバの空気取り入れ口は、吸入抵抗が大きく、ポンプを握り込んで離した際に、空気の取り入れがスムースではない。また、ポンプ本体のゴム材が厚く、ハクバ製のこのブロアーは膨らみきるまでの戻りが遅い。
一方、エツミ製のブロアーは、適度なゴム厚で、握り込んだ後の手を開く速度以上の早さで膨らんでくれる。実際に、ハクバ製のブロアーはエツミと比べると、単位時間当たりのシュポシュポの回数が 2/3程度とかなりの差が付く。
使いやすいのは・・・
文章に書くと一長一短あるように見えるが、実際に使ってみると判断に困ることなくエツミのキューティーブロアーのほうが使いやすく感じる。
その理由は、ハクバのハイパワーブロアープロのポンプ本体のゴム全般の特性が悪いことに尽きる。使われているゴムの材質や厚みによるもので、扱うには相応の握力が必要だ。
エツミのキューティーブロアーにも欠点はあり、最たる点は、PRポイントであるはずのペンギンノズル。この先端の曲がりさえなければ、イチオシの製品になれたかもしれない。
ただし、これらは重箱の隅に残っている米粒のようなものであり、実際に使う上で致命的な不具合となるようなものではない。何しろメンテナンス時に使用するポンピング時間はわずか数秒。どちらも実用的な製品だ。
とりあえず、先端ノズルの柔らかいエツミのキューティブロアーをカメラ用に、ハクバのハイパワーブロアープロは PCキーボード等の掃除用に使っている。時々入れ替わるときもある。