スタビレーの工具の手触り
工具に油が付いた場合、ツルツルであればふき取りやすく、ザラザラではいつまでも油分が残る。
スタビレーの工具の多くは、ツルツル並みに油分をふき取ることが出来ると共に、手に持った際、ツルツルほど滑らない。
ツルツルではなく、ザラザラでもない。サラサラである。
見た目がマットなので梨地仕上げと呼ぶ人もいるけれど、実際に手に持ってみると他の一般的に梨地仕上げと呼ばれる工具とは明らかに異なる質感となっている。シルクのような手触りである。
スタビレーの表面仕上げは不思議なテクスチャー
誤解されそうなので、撮影方法の簡単な説明を。
左がリング照明で、右は同軸照明。被写体は同じものだ。
同軸照明で撮影した写真は凹凸が強調され、その特性を生かして傷検出等にも使われる。
一見して傷だらけに見える写真だが、実際には写真程には傷や凹凸は深くない。
こうした特性を生かして様々なメーカーの工具の表面仕上げを観察してみた。
拡大してみると明らかになる。スタビレーは梨地仕上げではなかった。
工具の表面仕上げは、鏡面と梨地いずれかに分類されがちだが、スタビレーはそのどちらでもなかった。
表面のほとんどを占める凸の部分は、鏡面まで至らないが、とても平面的である。
その中に凹みが点在する。凹み部分は傷に思えるが、しっかりとメッキがされている。
スタビレーのシルクな手触りは、表面のほとんどを占める平坦な面と凹みの絶妙な面積割合によるもの。
こうした仕上げは、スタビレー以外に見たことが無い。
KTCは梨地と言ってよい仕上げ。
HAZET(ハゼット)のコンビレンチ。同じドイツ製でありながら、スタビレーとは見た目も手触りも異なる。本格的な梨地仕上げである。
グリップ感が良いのは、形状によるもの。
トネのレンチは正しく梨地仕上げ。
手触りからしてザラザラである。これはこれで悪くないのだ。
鏡面の撮影は難しい。
スナップオンのメガネレンチ。凹凸を強調するよう照明を駆使してみた。
コメントするまでもなく、鏡面そのもの。